第二幕第六場(4)

文字数 365文字

夜中に突然、連絡が来たんです。スマホに。

スタンプが。

花束の。


(客席に向かって呼びかける)タカ君。
タカ、浮かび上がる。
今、どこ?
(指でタップしてメッセージを書く)もう一度教えて。あのお話の終わり。
(タップ)どこにいるの?
(タップ)誰が生き残るんだった?
電話番号登録してくれてない! どうして?
(タップ)生き残ったほうは、幸せになれたの?
(タップ)電話して。話そう!
(タップ)一人じゃ、さびしいだろうって、言うんだ。
(叫ぶ)誰が? 誰に?
リキ、タカの手から、そっとスマートフォンをとり上げる。
(スマートフォンを見つめて、静かに)ごめんね。(タップ)
待って!
リキ、タカ、ゲン、消える。
そのまま連絡はとだえました。
一時間後、電話がありました。私は飛びついて出たんですけど、切れました。かけ直しても、何度かけ直しても、もう、つながらなくて。
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登場人物紹介

リキ(力) 若い男。

タカ(高) 若い男。リキの「同居人」。

ゲン(源) 若くない男。タカの「客」。

ハツ(初) 若くない女。ゲンの妻。

ナツ(夏) 少女。

リキ&タカ(二人同時に)

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