第34話 再会

文字数 512文字

 大陸には、一人の旅人があった。そう、ネムだ。
 南へさらに進んでいる。この先は、何もないのかと思っていた。今日もかなり歩き、この夜、彼は疲れた体を横たえていた。
 
 ネムは、まだ南へ進んでいた。ある地点を目指すかのように。
 太陽が一番高い時、彼は、遠くに変わったものを見た。かげろうかと思い、近づいてみた。
 それは、大きな四角い物で、自然にできたものではなかった。
 ネムは、驚きの声をあげた。
 今や廃墟と化したルウィンたちの城。その中の図書館を発見したのだ。
 ネムは、ふるえながら、図書館の壁に、そっとふれた。
 入口を探し、中に入った。
 そこには、伝説の書物が眠っている。
 
 ネムは、読みふけった。
 ここへ入って何日になるのか、わからなくなるほど夢中だった。
 彼は、疑わなかった。これは、ルウィンのものに違いないと、確信していた。戸棚から、いつも食べ物が出てくる。
「これは魔法だね」
 彼には、わかっていた。
 窓の外をながめる。
 夕陽が、静かにさしこんでいた。
 
 ここに近づく、小さな影があった。
 ネムは、それに気づかず、席を立った。そして、少し散歩でもしようかと、扉の方へ向かった。
 すると、扉がひらいて。
 ハーレイと会った。
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