第77話 それを見るもの
文字数 367文字
そのころ、西の地のハラルドの塔では。
ここに住む、キリス・ギーが、天を向き、うなり声を上げていた。
キリス・ギーは”キーゴン”と呼ばれた古代の怪物の生き残りだったが、今では言葉を与えられ、この塔に閉じ込められていた。
「おお、われらの古い種族が滅んだ」
姿形はちがえ、同じ生き残りである、フローガの死は、キリス・ギーの意識に、するどく入ってきた。
そして、脳裏に、その場の情景が、ありありと写し出された。
「一人の人間が、苦しんでいる」
「フローガを倒したのは、彼だ」
「しかし、われらには、どうすることもできない」
キリス・ギーは、ゆっくりと頭を下げ、目を開いた。
頭から、その光景は消えていった。
ゼルが足で突き上げたフレイの剣は、フローガの首をつらぬき、その運命を断った。
ゼルは、化け物の黒い血をあび、その命は消えようとしていた。
ここに住む、キリス・ギーが、天を向き、うなり声を上げていた。
キリス・ギーは”キーゴン”と呼ばれた古代の怪物の生き残りだったが、今では言葉を与えられ、この塔に閉じ込められていた。
「おお、われらの古い種族が滅んだ」
姿形はちがえ、同じ生き残りである、フローガの死は、キリス・ギーの意識に、するどく入ってきた。
そして、脳裏に、その場の情景が、ありありと写し出された。
「一人の人間が、苦しんでいる」
「フローガを倒したのは、彼だ」
「しかし、われらには、どうすることもできない」
キリス・ギーは、ゆっくりと頭を下げ、目を開いた。
頭から、その光景は消えていった。
ゼルが足で突き上げたフレイの剣は、フローガの首をつらぬき、その運命を断った。
ゼルは、化け物の黒い血をあび、その命は消えようとしていた。