第72話 やりとり
文字数 458文字
そんなことがあった、ある夜。
みんなのいるところで、ハーレイが話し出した。
「あのさ、ここから出ることができると思うかい?」
「出るって、どこへ?」
ユティが、聞き返した。ユティは、ただ一人の女の子だった。
「ハラルドの塔へ、さ」
「ばか言うなよな」
と、テッダがいった。
「おもしろい思いつきじゃないか」
と、これは、もじゃもじゃ頭のアノネ。
「うん、行けたらいいね。でも、ここも悪くない」ロークルだ。
ハーレイは、言う。
「もちろんできるさ。それに」
「今は、無理だ」
テッダが、言いきる。
「ああ、今のままではね。だから、始めるんだ。ぼくたち、進歩したかい? いつも、遊んでばかりでさ。何かしなくちゃいけないよ」
「ハーレイ、その向上心は、大いに認めますぞ」
リークルが、いった。彼はロークルの弟で、片メガネなんか、かけている。
「そんなこと話しても、すぐ答えは出ないんじゃないかな」と、くりくり目のボージャーが言って、この話も終わってしまった。
みんな、ここを離れたがらない。
ハーレイは、一人で立つと、ベッドの方へ行ってしまった。
みんなのいるところで、ハーレイが話し出した。
「あのさ、ここから出ることができると思うかい?」
「出るって、どこへ?」
ユティが、聞き返した。ユティは、ただ一人の女の子だった。
「ハラルドの塔へ、さ」
「ばか言うなよな」
と、テッダがいった。
「おもしろい思いつきじゃないか」
と、これは、もじゃもじゃ頭のアノネ。
「うん、行けたらいいね。でも、ここも悪くない」ロークルだ。
ハーレイは、言う。
「もちろんできるさ。それに」
「今は、無理だ」
テッダが、言いきる。
「ああ、今のままではね。だから、始めるんだ。ぼくたち、進歩したかい? いつも、遊んでばかりでさ。何かしなくちゃいけないよ」
「ハーレイ、その向上心は、大いに認めますぞ」
リークルが、いった。彼はロークルの弟で、片メガネなんか、かけている。
「そんなこと話しても、すぐ答えは出ないんじゃないかな」と、くりくり目のボージャーが言って、この話も終わってしまった。
みんな、ここを離れたがらない。
ハーレイは、一人で立つと、ベッドの方へ行ってしまった。