第53話 嵐

文字数 288文字

 それは、静かに、しのびよって来た。そして、ネムとレイシーズが、もうここまで来れば、と思った時、やって来た。
「なんて嵐だ!」
 風がうなり、頭から水がたれる。「もう少しで、陸が見えると思ったのに!」
 船はゆれ、人は落ちそうになる。中の二人は、水をかき出すのに懸命だ。
 船が、かたむき出した。
 風は激しさを増し、雨がたたきつけるようにふる。
 もうだめか、と思った時、それは、突然去って行った。
 雲が流れ、水平線の輝きが見えた。この日の朝、二人は大陸へ着いた。船は、ただよいながら、陸地へ向かう。
 そこは、大陸の一部には違いない。
 どこなのか?
 彼らは、違う目的地に着いたのだった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み