第62話 会議
文字数 656文字
ガダル川にそった、人間の野営地では、会議が行われている。
この川を、渡るかどうか、もめているのだ。
「せっかく守った川だ。あくまで守るべきだろう?」
この意見に、ソル兄弟やナクルは、否定的だった。
今回の勝利は、ようやく勝ち取ったもので、次は、守り切れないだろう。
敵は、さらに大軍を送ってくることが予想される。しかも、戦闘中に後退するような場合、ガダル川がじゃまになり、大きな被害が出る、というのが、この三人の主張だった。
川を渡ると、南のソデクの国へ、戦場を移してしまうことになる。
ソデク軍のソル兄弟は、それでも、川を渡るべきだ、と言った。島からのアトロス軍は、今度の戦いに、大きな力を果たしたこともあり、川を渡るのは反対だった。
森の軍は、戦地が森に近くなるために、やはり反対し、ここで防戦すべきだ、と言った。
意見がまとまらない。
「じゃ、こうしたらどうでしょう」
シベリン王子が言った。
「避難してきた、戦わない人たちだけ川を渡ってもらい、我々は、ここで敵を防ぐのです。いざという時は、私たちの乗ってきた船が、役立ちます」
「うむ。だが……それでも、川を渡る時は手間どるだろう。そこを襲われたら……」
結論は、こうなった。
「守るものと、守られるものは、同じ所にいた方がいい。全員が川を渡る。南のソデクの国で、体勢を固めるのだ」
そして、これは、正しい選択だったのだろう。
このところ、ダール軍の攻撃はなかった。
人間たちにとっては、休息が必要な時だった。
しかし、敵にとっては、次の攻勢への準備期間となる。
この川を、渡るかどうか、もめているのだ。
「せっかく守った川だ。あくまで守るべきだろう?」
この意見に、ソル兄弟やナクルは、否定的だった。
今回の勝利は、ようやく勝ち取ったもので、次は、守り切れないだろう。
敵は、さらに大軍を送ってくることが予想される。しかも、戦闘中に後退するような場合、ガダル川がじゃまになり、大きな被害が出る、というのが、この三人の主張だった。
川を渡ると、南のソデクの国へ、戦場を移してしまうことになる。
ソデク軍のソル兄弟は、それでも、川を渡るべきだ、と言った。島からのアトロス軍は、今度の戦いに、大きな力を果たしたこともあり、川を渡るのは反対だった。
森の軍は、戦地が森に近くなるために、やはり反対し、ここで防戦すべきだ、と言った。
意見がまとまらない。
「じゃ、こうしたらどうでしょう」
シベリン王子が言った。
「避難してきた、戦わない人たちだけ川を渡ってもらい、我々は、ここで敵を防ぐのです。いざという時は、私たちの乗ってきた船が、役立ちます」
「うむ。だが……それでも、川を渡る時は手間どるだろう。そこを襲われたら……」
結論は、こうなった。
「守るものと、守られるものは、同じ所にいた方がいい。全員が川を渡る。南のソデクの国で、体勢を固めるのだ」
そして、これは、正しい選択だったのだろう。
このところ、ダール軍の攻撃はなかった。
人間たちにとっては、休息が必要な時だった。
しかし、敵にとっては、次の攻勢への準備期間となる。