第14話:由紀さんにプロポーズ

文字数 1,589文字

「次はと聞くと、雪中梅と言うと甘口の酒ねと言いグラスに注いで飲んだ」
「ほんとに、ワインみたいねと話した」
「次はと聞くので、仕事中で大丈夫なのと聞くと、平気、店のスタッフが多いからと言った」。
「それなら良いけどと言い、麒麟山と言った」
「また、彼女が飲んだことないと言いグラスに注いだ」
「そして飲むと、飲みやすいわと言った」

「神奈川には、本格的、日本酒がないのでしょと、彼女が言った」
「それに対し、確かに日本酒の有名な酒蔵はないと答えた」
「でも港の船乗りが、無税のブランデー5.6本を船に持ち込む」
「それを売って遊ぶ金に替える、だから安くて素晴らしい酒を飲めた」
そう語った。
「1本1万円コニャックが2千円で買い、学生の頃、随分飲んだと伊藤が打ち明けた」

「未成年の飲酒は、違法よと彼女が言うと店員が自分の店の酒を飲むのも違法」
「そうじゃないと言い返すと、面白いこと言うわねと笑った」
そして、いろんな話をして盛り上がると23時になり精算してと言った。
彼女のお父さんが、今晩は、店のおごりで結構ですと言った。
「それは、ありがとうと言うと酔っ払った由紀さんが笑いながら言った」
「また一緒に飲もう、今日は愉快と笑った」

 じゃーまた寄らせてもらいますと言い伊藤がタクシーを呼んでもらいますかと言い少ししてタクシーで帰っていく時、彼女も出てきて手を振って送ってくれた。
「あっけらかんとした明るくて可愛い娘だと由紀さんを好きになった」
翌日の晩も飲みに来て、楽しいひと時を過ごして帰った。

 そして今週も終了し新潟に帰った。その後も毎週、十日町の妻有に週に3回、通い続けた。夏が過ぎて秋になりやがて冬、雪が降りだし1983年12月を迎えた。12月21日、妻有の店に伊藤が顔を出すと由紀さんもいた。
「年末はいつ迄と聞かれ明後日、新潟に戻り、25日町田に帰ると答えた」
「すると悲しそうな顔になり泣き出した」

「ちょっと待っていて化粧直してくるからと言い席を外した」
「数分後、帰って来て、年末、東京へ遊びに行って良いかしらと聞くと構わないよと答えた」
「その時、横浜ニューグランドホテルのビーフシチュー食べさせてと言うとOKと答えた」
「ほんと、と言い笑顔になり、電話番号教えてと聞くので紙に書いて渡した」
「すると、うれしいと笑った」

「その後、27,28日と東京へ行くからデートしてくれると聞くので構わないと答えた」
「でも、ご両親の許可だけは、きちんと取ってと告げると了解といたずらっぽく返事した」
「うれしい、本当にうれしいと言うと、再び泣き出し止まらなくなった」
「しばらくして戻って来て本当に約束よと言うので了解と答えた」

「そしてタクシーを呼んでと言い送ってもらう時、さりげなく、伊藤が由紀さんに結婚しようかと言うと、大粒の涙を流した」
 そこへタクシーが来て、こちらの様子を見て何か変だと思い、また来ますと言い走り去った。
「そこで、伊藤が由紀さんに結婚しようと言うと店に戻って両親にも話してと言われた」

「店に戻り彼女の両親に伝えると信じても宜しいのですねと聞いた」
「それに対し、決して、嘘は、申しませんと答えた」
「彼女が、喜んでくれたので来春にでも結婚したいと思ってますと語った」
「すると、両親が、ふつつかな娘ですが、何卒よろしくお願いします言った」
「解りました、彼女を大切にしますからご安心くださいと告げた」
その後、もう一度タクシーを呼んで、先生の家に帰った。

「翌朝、院長の奥さんに、おはようございますと挨拶した」
「その後、居酒屋の娘さんと結婚すると言うと、そりゃめでたいと笑顔になった」
「朝食と食べながら彼女は、若くて知らない事も多いから優しく教えてあげなよと言った」
「まるで、急に姉になったような口ぶりで、いろいろアドバイスしてくれた」
「その話を聞き、院長は、終始、笑顔で、まーとにかく、めでたいと言った」
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