第13話:八箇峠で会った娘との再会

文字数 1,529文字

 会社に着き、やがて全員が出社。今週の重点事項を所長が発表。その後、チーム毎にチェック事項を確認。10時、遠方の担当者プロパーから順に出発。今週は、最初に小千谷の2軒の大型病院を昼過ぎから14時、その後、15時頃、開業医さんを訪問。17時過ぎ、もう一つの大型病院を訪問して、調査と自社製品の利用をお願いする。18時半に先生の住む官舎に入り19時から夕食をいただいた。

「その晩、院長の奥さんが、伊藤さんの彼女に会ったわよと嬉しそうに語った」。
「確かにトランジスタ・グラマーねと言い、でも若い子が好きなのねと笑った」。
「彼女まだ22歳よと言い訳ありげな笑いを浮かべた」。
「愛想が良くて可愛い顔、伊藤さん、さすがに、お目が高いと言い大笑い」。
「その後、院長が、あの子なら良い、結婚しちゃえと奨めた」。

「まだ、私は1回しか会ってないのに勝手に決めないでと笑いながら言った」。
「今晩、じっくりと口説きに行きなさいよと奥さんが伊藤の肩をたたいた」。
「解りました、ご要望通り、彼女の会いに行きますよと告げた」。
「少ししてタクシーを呼び居酒屋・妻有へ行くと彼女が嬉しそうにやって来た」。
「そして両親を呼んで前日、八箇峠で困ってる時、助けてくれた人と紹介した」。

「先日、お世話になりまして、ありがとうございますと丁寧に挨拶をした」。
「今晩は、店おごりですので、ゆっくりしてくださいとマスターが言った」。
「少しすると、お食事は、と聞くので済ませてきたと言うと了解と答えた」。
「漬物の小皿とグラスに地元、魚沼・妻有の名酒『松乃井』を注いだ」。
「ゆっくりと、のど越しと味をみると、優しい味で旨いねと言った」。

 水も飲んで言うとコップに水を入れて持ってきて伊藤が水を飲んだ。
「酒のグラス替えるわねと言い交換して『天神囃子』を注いだ」。
「その酒を少し口に含み、じっくりと味見をしてコクがあるねと言った」。
「八海山あると聞くと、えー、あるわよと彼女が言いグラスを替えた」。
「八海山を注いでくれ、ゆっくりと飲むと、これが良いと答えた」。

「酒を飲み終わると、私まだ詳しい自己紹介していなかったわねと言った」。
「すると聞いてないと答えると、御免なさいと言い話し始めた」。
「十日町生まれ、名は、伊東由紀、地元の高校を出て実家に就職」。
「趣味は、スキーと日本酒で、好きなタイプは、アランドロン」。
「好きな食べ物は、ビーフシチュー」。
「行ってみたい所は、横浜の港とフランスのブドウ畑」。
「夢は、素敵な人と結婚する事」。

「言い終わると、ごめん、ここ迄、聞かれてなかったと言い大笑い」。
そして、あなたはと、聞き返した。
「そこで、名前は、伊藤光一、出身は、横浜の隣の東京都町田市」。
「好きな酒は、コニャック、得意な事は、化学の実験」。
「好きな女性のタイプは、南沙織みたいなトランジスタ・グラマー」。
「好きな所は、横浜港と山下公園、大学は、横浜国立大学と答えた」。

「これを聞いて、伊東由紀は、へー、横浜の大学でたのと驚いた」。
「ホテルニューグランドのビーフシチューの味は、最高と言った」。
「私も、お酒飲みたくなったわと言った」。
「実はうちの父、酒を集めるのが好きで、新潟県内の酒は、ほとんどおいてあると打ち明けた」。
「そりゃーすごいねと言うと、今晩、味見させてあげると言った」。

「同じ苗字とは、奇遇と言い伊藤光一が、とうの字は、藤と回答」。
「由紀さんは、私の苗字のとうの字は東よと言った」。
「それは残念、結婚すると苗字が少し変わるねと笑った」。
「でも、しゃべるだけでは、同じよねと反論した」。
「次はと聞くと〆張鶴と言い2つの小さなグラスに注いだ」。
「美味しいわねと言い、彼女は、〆張鶴を飲んだ事ないと白状」。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み