第24話:久光先生の診察結果と療養と一人で温泉へ

文字数 1,622文字

「最後、僕は、医者としてだけでなく君の友人として言うが、若いうちに体と心の健康を取り戻さないとまずい」。
「いつか廃人の様に、ボロボロになってしまうぞと、厳しい目で進言された」。
「今なら、まだ治ると思うが1年後だったら厳しいかもしれないと言われた」。
「優しく、肩をたたかれて時、自然と涙が、あふれて、先生に抱きついた」。

「久光先生は、子供をあやす様に、頭をなでて、よく頑張ったね」。
「でも、もっとゆっくりし、長い間、何も考えないでぼーっとしよう」。
「そして、気持ちを落ち着けようよと、子供に言い聞かせるように、言い聞かせてくれ、長い間、久光先生に抱きついていた」。
「すると、心の中に、つっかえていた何かが、口か飛び出す様な妙な気分になり我に返ると頭がすっきるするのを自覚した」。

「帰り際、伊藤君、できれば、来年、プロパーをやめた方が、君の人生にとって良いかもしれないよと、真剣な目で、言った」。
「わかりました、それも含めて落ち着いて考えてみますと言い、お礼を言って診察室と出た。

「この十日町病院の内科と精神科の検査結果と先生からの指示を新潟の営業所長に話して12月20日から40日間、休みをもらった」。
そして12月を迎えて12月18日仕事を終わらせた。
「妻の由紀さんと長女の百合ちゃんと義理の両親に事情を話し1989年1月末まで、ゆっくり休んできますと言い、家を出た」。
「その後、鶴川の郊外の伊藤の実家へ行き、両親に事情を話した」。

「実家に帰り以前から使っていた勉強部屋に行き、ステレオから音楽をかけて部屋を暖めて気を落ち着けた」。
「すると高校時代、懸命に勉強していた自分の姿が思い出された」。
「その後の人生が、走馬灯のように、頭を駆け巡った」。
「いつの間にかソファーで寝てしまい気が付いたら2時間も経っていた」。
「そして体の上には、毛布が掛けてあった」。

「この何とも言えない安らぎ、忘れていた感覚がよみがえった」。
「その後、昼間、日差しが良い日、近くの公園を散歩して、汗をかきシャワーを浴びて、午後、眠くなると、ソファーで1、2時間昼寝をする生活を続けた」。
「小高い丘から見える富士山を眺め、気を静めて、その荘厳な姿を眺め続けた」。
「1989年が明けると初詣に行き自分の家族に幸多かれと願ってきた」。

「1月6日から下田温泉2泊と熱海温泉に2泊、一人だけで出かけた」。
「朝起きて散歩し富士山を眺め、昼食後、気が向いたら昼寝をし、好きな音楽を聞いて、勝手気ままに過ごした」。
「温泉も空いていて、一人っきりで入り瞑想をしてみた」。
「すると久光先生と歓談しながら診察室の様な所で話し合ってる姿が見えた」。

「1月8日、熱海に移り、太陽が出て暖かくなると熱海港を散歩した」。
「その後、温泉に入り汗を流し海の向こうの初島を眺めると潮風が頬をなでて、実に、気持ちが良い」。
「そして昼寝したり座禅をして瞑想をした」。
「その時、女房の由紀さんと娘の百合ちゃんをパジェロに載せて、奥さんのご両親と別れを惜しむシーンが浮かんだ」。
「その後、按摩さんを呼んでもらいマッサージを受けた」。

「お客さん、すごい疲れてましたねと言い、なかなか、これだけの人はそんなにいない、絶対無理しちゃいけません」。
「人生長いのだから奥さん子供のため、ゆったりとした余生を過ごさないと、取り返しのつかないことになりますと言われ」。
「そのために4人間、下田に2泊と熱海に2泊の旅に来たと告げた」。
「そりゃ良い、今の生活を変えないといけませんよと言われた」。

「この3日間、ゆっくりして昔を回想したりできたと言うと良かったと言った」。
「でも2回、妙な夢を見たと言うと、そうですか、それは、未来の暗示かもしれませんね」。
「疲れすぎて温泉場に療養に来て、正夢を見て、その通りにして、命拾いしたって人を、何人も知ってると静かに告げた」。
「神のお告げを信じるべきですよと言って30分のマッサージを終えた」。
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