第18話:伊藤と由紀の結婚式

文字数 1,537文字

 若者達が、2次会へ移動し、大いに語り、新郎新婦は、16時にはホテルに帰って来た。明日から2泊3日で長野の諏訪湖、松本城、善光寺への新婚旅行に出かける。1984年6月10日、新妻、由紀さんを十日町に送り、伊藤光一だけ新潟へ帰った。その後6月13日、新潟営業所の営業会議に出て4泊5日の出張に出る。初日は、長岡の3軒の病院で仕事をした。

 翌日、十日町へ行き、六日町、小千谷で仕事をして6月17日の朝、十日町で奥さんを乗せて途中、小千谷と長岡の病院を訪問して新潟のマンションに奥さんと一緒に帰った。翌日、新潟営業所に出かけて午前中、営業会議をして営業報告書を書いて、夕方、由紀さん待つ2LDKのマンションに帰った。その後、十日町で開業してる先生に今までの、お礼を言って結婚して奥さんの実家に泊まると話した。

 そして先生に今までのお礼を言うと奥さんが、お幸せにと言ってくれた。伊藤は、その後も順調に仕事を続けた。由紀さんは、夏休み中も十日町の実家にいる時間が多く以前の様に実家の仕事も手伝った。そのため伊藤の方が通い夫の様になった。それでも仲睦まじく過ごした。夏が過ぎると9月、10月と過ぎて朝晩寒くなり11月下旬から雪が、ちらつき12月となり1985年を迎えた。

 5月の連休が開けると平地では雪が溶け暖かくなってくる。5月7日、由紀さんが体調が悪いと言い、産婦人科へ行くと妊娠したことがわかった。予定日は11月15日と知らされた。由紀さんのご両親は大喜びし、由紀は、当分、こっちで預かると言ってくれた。伊藤は、しっかり仕事をして下さいと言われ、お世話になりますと、挨拶しに行った。

 その後は、伊藤は、新潟に週末帰り、奥さんの欲しいものを新潟市の伊勢丹で買っては、十日町の彼女の実家に持っていった。夏を迎える頃には、大きなおなかを抱えて夜の店の料理の仕込みを手伝っていた。10月中旬からは、仕事をせず、たまに運動のため近くに買い物に行く時、散歩に行く位で安静にしていた。1985年11月13日、十日町病院産婦人科に入院し15日出産した。

 元気な泣き声の女の子で伊藤百合と名付けた。伊東家のご両親は、大喜びし赤飯炊いて百合の誕生を喜んでくれた。十日町病院でも伊藤さんの赤ちゃんという話が、知れ渡り、内科、外科、整形外科、産婦人科、小児科、薬局でも、その話題で持ちきり。もちろん、伊藤の仕事にとっては、追い風になり気を遣って伊藤の会社の医薬品の売り上げが伸びたのは言うまでもない。

 以前から世話になっている開業医の松平院長と奥さんも伊藤の娘誕生を聞いて診療の合間の昼休みに十日町病院に見に来てくれた。そして奥さんが、その可愛い赤ちゃんを見て、私も産みたいなと言い出したが、これには、松平院長も苦笑いしていた。数日後、退院してからは、由紀さんの、お母さんが由紀さんと孫の百合さんの面倒を見て義理の父が忙しく働いていた。

 そのうち11月を迎え雪が降り始めると十日町も冬支度となり12月クリスマスには、あたり一面銀世界。伊藤は、タイヤをスパイクタイヤに履き替えて交通事故に気をつけ12月も暮れた。そして1986年を迎えた。1986年始めは、雪降りの日が多くで十日町でも久しぶりに人の背丈を超える大雪で大変だった。

 しかし、今年は、例年通りであり安心した。新潟は、地下水をくみ上げて、大きな駐車場では、消雪パイプで水を流す。そのため昼間、気温が上がれば、雪が消えるので、山道と峠道さえ、気をつければ、滑る心配は少ない。1986年の正月、伊藤は、実家に帰り、横浜の霧笛楼の洋菓子をたくさん買い込んで由紀さんに渡した。すると、お母さんが妊婦の食べ過ぎは体に悪いと言い、一緒によく食べていたそうだ。
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