第9話:先輩同行と伊藤が新人賞を受賞

文字数 1,514文字

 そしてプロパーなった半年後、自分の担当している中で最大の都立病院の内科で数年に一度の大幅な人事異動があり、その事務の女性に気を遣っていた事が、倍、3倍返しとして返ってきた。それは、新しい医局長は、ゴルフ好きで、千葉のある名門コースでコンペをしたがってる事。2番手の副医局長は、外車好きで車を買い換えたい思っている貴重な情報をもらった事だ。

 その情報を斉藤課長と藤島所長に話すと車好きの斎藤課長が、一度、同行訪問してみると言い、翌週、火曜日、斎藤課長と同行して谷重副医局長が挨拶した。以前、聞いていた谷重先生の赤いBMWを見て最新鋭の素晴らしい車ですねと褒めると、わかるかいと上機嫌になった。そして加速が段違いだと言い以前乗っていたスカイライン2000GTとは違い軽快な加速感で気持ち良いと答えた。

 私もドイツ車にあこがれていて、あのBMWを買いたいと思っているのですが、高くて新車で買えないと言った。笑いながら先生もし売る気になったら安く譲って欲しいなと耳打ちした。うまいこと言うねといったが悪い気はしてないようだった。その翌週の水曜日、藤島所長が、昼休み内科医局を訪ね香西医局長に挨拶した。その時、香西先生が、君、以前、どっかで見たと言い、そうだKO系病院のコンペだと思い出した。

 君にドライバーの低い弾道で伸びあがってるのを見てプロのように感じたので忘れなかったと話した。実は、今度、内科医局員が、大勢交代になったので親睦コンペを考えているのだが、君も参加して優勝賞品を用意してくれないとズバリ言った。その後、間髪を入れず了解しました。何が良いかと聞くと有名ゴルフセット一式と耳打ちした。

 承知しましたと言い担当の伊藤光一を男にしてやってくださいと耳打ちすると急に笑顔になり、俺のゴルフが上達したらなと小さな声で言い笑顔になった。その3ケ月後、医局のゴルフコンペに参加のお誘いがあり各社の協賛金で商品を買う事になり藤島所長も参加することになり優勝賞品のゴルフセットを協賛。そしてコンペに参加して谷重副医局長が優勝し藤島所長が2位で香西医局長がドラコン賞をとった。

 このコンペの昼休み、藤島所長が、同じ組の香西医局長にドライバーの飛距離アップの方法をつきっきりで教えた、おかげでドラコンをとれたと上機嫌になった。その後、コンペの翌日、藤島所長が昼休み、香西医局長を訪ねると医局長室に伊藤君と共に呼ばれて藤島所長に、お礼を言い、伊藤君を男にしてやると言ってくれた。翌月からSG製薬の抗生物質の使用量が3位からトップに躍り出た。

 その後、藤島所長と斉藤課長が毎月、挨拶に行くと伊藤君の業績が急上昇し1976年10月時点で新人プロパーの中で全国3位となり、さらに上を目指す勢いだった。1977年の3月末時点で、ついにトップに立ち新人賞を取り賞金100万円を手にした。これには藤島所長と斉藤課長も大喜び。この営業所では、新人賞をとったのが伊藤が最初で所長が特別に祝賀会を企画してくれた、

 SG製薬では、毎年、新卒入社組は、4月採用に30人前後と10月に中途採用組を20人前後採用している。新人賞は1位100万円、2位50万円。そして新卒組は1年間の売り上げ増量金額の平均値、中途採用組は、1年半の売り上げ増量金額の平均値を算出する。

 トップが200万円、2位が100万円、3位が50万円で、新人賞は1位100万円、2位50万円の報奨金が与えられる。また、年により新製品が予想利益を超えた場合には、特別賞与として目標金額からの差額分を営業所の売上げ比率を計算してを外勤営業職だけに営業所単位で寄与分割にして与えられることになっている。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み