共通④
文字数 1,152文字
あっ、いたいた～、こんにち～～わっ！
えっ――わわっ！
後ろから誰かに抱きつかれている！
「どさくさに紛れてもみもみ～～」
「ええええ！？ ちょっ、ちょっとまっ……きゃあああああああ！」
ひいいいいぃぃ！ なんかめっちゃ胸揉まれてるんだけど！ セクハラなうなんだけど！ しかも周りの男子にめちゃくちゃ見られてる！ うえええん恥ずかしい！ と頭がパニックになっている私を見てもその誰かは揉むのを止めてくれない。
「玲ちゃん、由紀さん嫌がっているので止めてあげた方がいいよ？ それに……僕も目のやり場にすっごく困るから……」
「え～～、柔らかくて凄くいい揉み心地なのにな～～」
「あっ……」
玲ちゃんと言われた子がようやく手を放してくれた。
「こんにちは、おっぱいのおっきな転校生」
おっぱい……。美少女に胸を揉まれた挙句におっぱいの大きな転校生なんて呼ばれてしまった……。うう、胸が大きいのはコンプレックスでこれのせいで男性が苦手になったというのに……。
「玲ちゃん！ そんな呼び方は良くないよ！ 彼女には和光由紀さんっていう名前があるんだから」
「ちぇ～～、んじゃあ、由紀って呼ぶ……。 玲は千倉玲だよ～よろしくね～」
またとびきりの美少女だった。女の子が皆羨む要素を全て持ったような絵に描いたような美少女であった。
「よろしくね。玲ちゃん」
「今日は可愛い転校生が来たっていうからどんな子か気になって来ちゃったんだよ～！噂通り、すっごーく可愛い！……まぁ玲には負けるけどね」
「そっ、そんな！ めっそうもない！ 玲ちゃんのが可愛いです！ 私なんて可愛くないです！」
「えへへ～、ありがと！でもー、女の子が自分の事可愛くないなんて言っちゃだめだよ？女の子は誰でも可愛いものなんだから。ね、君もかわいい！」
「あ、ありがとう……」
何だかこの空間すごく注目浴びてるなあ。玲ちゃんが来てからさらに明らか注目されてる。智ちゃんと玲ちゃんが居るんだもんね、そりゃ注目されるよね。
「むう」
「？ どうかした？ 玲ちゃん」
「いいなぁ胸。ちっぱいの玲に少しわけて欲しいなー、ちらっ」
玲ちゃんは私の胸をじっと見た後、またがしっとわし掴んだ。
「○×□△☆～～～！（※言葉にならない）」
「れっ、れれれれれれっ……玲ちゃん！！」
「あはっ☆ 感触が中毒になりそー」
「…………っ」
「ごめんごめん、これあげるから許してっ、ねっ☆」
「むぐぐ」
口に押し付けられたのは玲ちゃんの鞄から出てきたポッキーだった。
「じゃーねー、由紀！ちゅっ♡」
そうして玲ちゃんは嵐のように去っていった。去り際のウインクに投げキッス。何というかさすがです。私はぽかんとなったまま口を防げずにいた。
「あうあう……ごめんね……玲ちゃんが……」
そして隣で謝っている智ちゃんの声にも反応を返すことが出来ずにいた。
