准ルート④
文字数 1,805文字
手をばたばたさせてギブアップを求めた。だけどそんな必死のサインにも気にせずキスを続けた。
しばらくしてようやく唇を離してくれた。2分くらいそうしていたんじゃないかと思うくらい長く感じた。呼吸がままならなくてするほどに溶けていくようなキスだった。
あんなに熱烈なキスをされて、落ちない女の子は居ないだろう。正直腰を抜かしてまいそうなほど気持ちのいいキスだった。私は、准先輩のことをどう思っているんだろう。
最初は正直いい印象ではなかった。だって遊んでいるし会うたびに違う女の子連れているし……。まあでもそんなのでも本人にもちゃんと考えているところがあって……。少なくとも私居る時に見せる准先輩はちっとも遊びじゃなかった。
嘘で固められた顔じゃなくてちゃんと本心で向き合ってくれたと思うから。
だから――そんな准先輩だから惹かれていって、そして今好きって気持ちに変わったんだ。ううん、もうずっと前から――
すうっと息を吸い込み気合を注ぎ込む。これからするのは大好きな人に想いを伝えること。
うん、大丈夫。頑張るんだ私。精一杯の勇気と想いの気持ちを込めて、伝える――!
そうして、私達の関係は恋人へと変わった。
好きな人と結ばれるのはどれだけ幸せなことなのかを実感した日だった。