准ルート④

文字数 1,805文字

准「そんな恥ずかしいの全員に見せるわけないじゃん。好きな子にしか見せるわけない」

由紀「好き……って、え?」

准「あー、もう何で分かんないかなあ。由紀ちゃんが好きだからあんな顔するんだよ。全く、誰がこんなさせたと思ってるの」

由紀「誰が……って、私、ですか?!」

准「他に誰がいるの……。で? 責任は取ってくれるんだよね?」

由紀「え、えええ!? 責任ですか!? いったい何をすればいいんでしょうか……」

准「もう1回キス、しない? その後に由紀ちゃんの返事聞かせて?」

由紀「恥ずかしいけれど……はい、しましょう……!」

准「んっ……ちゅっ……はっ……、ちゅっ……ふっ……ん……」

由紀「……っ!? ん、ふ……んっ……んんう~~~~っ!」

手をばたばたさせてギブアップを求めた。だけどそんな必死のサインにも気にせずキスを続けた。

准「ちゅっ……、ふっ……、れろっ…んちゅ……」

由紀「んっ…はっ……んんん~~~っ!」

しばらくしてようやく唇を離してくれた。2分くらいそうしていたんじゃないかと思うくらい長く感じた。呼吸がままならなくてするほどに溶けていくようなキスだった。

准「……やり直しのキス、どうだった? 目の焦点があってないけど、そんなによかった? 俺のキス」

由紀「えっと、その……よかったです……すごく、凄かった……」

准「ふーん? なら良かった。告白の答え教えてくれる? ダメなら潔く引くからさ――」

あんなに熱烈なキスをされて、落ちない女の子は居ないだろう。正直腰を抜かしてまいそうなほど気持ちのいいキスだった。私は、准先輩のことをどう思っているんだろう。




最初は正直いい印象ではなかった。だって遊んでいるし会うたびに違う女の子連れているし……。まあでもそんなのでも本人にもちゃんと考えているところがあって……。少なくとも私居る時に見せる准先輩はちっとも遊びじゃなかった。

嘘で固められた顔じゃなくてちゃんと本心で向き合ってくれたと思うから。

だから――そんな准先輩だから惹かれていって、そして今好きって気持ちに変わったんだ。ううん、もうずっと前から――

由紀「……好き、です。私、准先輩のことが好きです!」

准「……マジで? 実は今すっごい驚いてるんだけど」

由紀「ほんとですよ。自分でもなんで好きになっちゃったんだろうって思います」

准「それって軽くdisられてるよね俺」

由紀「でも、好きなんですよね。よく考えて好き、考えなくても好きだって思う。気が付けば好きになっていた。恋ってそういうことじゃないですか」

准「よくわかんないけど、そういうものなの?」

由紀「……というわけで、准先輩のことを好きになってしまったので責任を取ってください」

准「……うん、分かった。で? 何をすればいい? エッチな方面でのお願い事?」

由紀「違いますから! なんですぐそういう答えになるんですか!」

准「だって俺エロの申し子だし。生きる18禁と言われる絶対にイかせる――」

由紀「それで、お願いというのはですね」

准「あ、今天性のスルースキルでスルーされた」

すうっと息を吸い込み気合を注ぎ込む。これからするのは大好きな人に想いを伝えること。



うん、大丈夫。頑張るんだ私。精一杯の勇気と想いの気持ちを込めて、伝える――!

由紀「准先輩! 私と付き合ってください!」

准「え、なんだ、そんなこと? もちろんいいよ」

由紀「ただし!」

准「ただし?」

由紀「私だけを愛してください。もう准先輩が他の女の子見てるの嫌なんです」

准「……うん、分かった。そんなの当たり前じゃん。こんな可愛いこと言われて他の子なんて見れる訳ないよ」

由紀「かっ、かわいい……!?」

准「可愛いよ。その目も髪も唇も、嫉妬深いところも、実は俺のことを誰よりも一番に大切に思っていてくれるところとか」

由紀「うっ……自惚れないでください。別に嫉妬なんてしてないし大切にだなんて……」

准「そっかそっか、……ほんとは?」

由紀「好きです、めちゃくちゃ好きです。……はっ! つい本音が! あわわわわ」

准「あははっ、可愛すぎ。抱きしめたくなっちゃったなぁ。ねえ、本当に俺だけのものにしてもいいの? なんだか俺には勿体なく思えてきちゃったんだけど」

由紀「准先輩のものにして欲しいです」

准「……うん、一生大切にするから」

そうして、私達の関係は恋人へと変わった。

好きな人と結ばれるのはどれだけ幸せなことなのかを実感した日だった。

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登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

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