ミカゲルート⑤

文字数 1,232文字

翌日

由紀「お待たせしました! すみません遅れまして、待ちましたか?」

ミカゲ「いえ。私が今日が楽しみで少し早く着いてしまっただけですので大丈夫ですよ」

由紀「あれ、ミカゲさん制服ですか?」

ミカゲ「すみません、自分で誘っておきながら。お恥ずかしながらこれしか服がないのです」

「ええっ!?そんな!家でもずっと制服なんですか?」

「そう……ですね。可愛いお洋服を着たいとは思うのですが静香様に似合わないと言われてしまってからはずっと家でも制服で居ますね」

「……ミカゲさん!!」

「はい?」

「服を今から買いに行きましょう!!」

「え……いえ……そんな……悪いです」

「大丈夫です!昨日のお祝いとして私がプレゼントします。何でも買いましょう」

「……それじゃあ、はい……」

ぐっと手を引っ張って近くの洋服店にミカゲさんを連れて行った。



誰よりも心が乙女で誰よりも美人なミカゲさんがオシャレをしないで何になるのだろう。絶対勿体ないと私は思った。

やって来たのはショッピングモールの中にある今若い子の間で人気のあるアパレルショップ。可愛い上にリーズナブルな服が置いてあり、私もよく利用する。

「このお店すごく可愛いですね……」

「ですよね、可愛いですよね!このお店お気に入りなんです。きっとミカゲさんに凄くお似合いになると思います」

「そうでしょうか。可愛すぎて私にはとても似合うとは……」

「むっ……私は似合うと思いますけど。たとえば、このワンピースとか!」

「これは可愛すぎませんか?スカートも短いですし恥ずかしいです」

「最近の女の子はみんなこれくらいの長さのスカート穿いてますよ。試着してから決めてもいいんじゃないですか?」

「そうですね……。何事も試してからですね。じゃあ着替えてきますね」

「はい!楽しみです」

しばらくして、フリルがふんだんに扱われた白いワンピースを着たミカゲさんが、試着室から出てきた。

「うわぁ……かわいい!」

「……そうですか?」

「はい!とってもお似合いですよ!」

「ありがとうございます。こんなに可愛い恰好初めてしました。照れますね」

「ミカゲさん似合ってます。すっごくかわいい!」

「そんなに可愛いって言わないでください……。その、ありがとうございます。嬉しいです」

「ミカゲさん本当に可愛いです。私が女なのが恥ずかしいくらいです。私がどうやったってミカゲさんには敵いません」

「いいえ。そんなことないです。由紀様の可愛さには私が敵いませんよ。貴方は私が見てきた女性の中で1番可愛いです」

「ミカゲさん……」

「どうしたんですか?」

「ミカゲさんに可愛いって言われたのが嬉しかったんです。えへへ、こんなに幸せなんですね」

「おかしな人ですね。由紀様なら言われ慣れているものじゃないんですか?」

「いいえ。ミカゲさんに言われるのとでは全然違います」

だって、ミカゲさんが好きだから。好きな人とそうでない人から可愛いって言われるのとは違う。こんなに幸せなことだったなんて知らなかった。

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登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

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