静香ルート③
文字数 927文字
プルルルルルル
深夜、寝ていると突然、枕元の電話が鳴った。
僕は嫌気がさして電話を切った。
電話の相手は信じたくないけれど僕の父親。現東十条財閥の代表の座に位置する。ある日この広い屋敷に僕を置いていきなり消息を絶った。
何処へ行ったかなんて知らないし興味もないけれど、東十条の名がこの世から消えない限りはあいつがこの世のどこかで存在しているのだろう。
今まで電話等一切して来ずほったらかしにされていたのに何故今更電話など寄越してきたのか。
あいつ、由紀のことを言っていた。どうやって調べ上げた? ……いや、あいつの力を持ってすればそれくらいは容易いか。
あいつ、由紀のことを奪うとか言っていた。どうやって? もしかして何か危害を加えるとか? あいつならやりかねない。こうなると由紀を檻にでも囲って監視するしかないかな。檻に入れた由紀を想像してみて、それも悪い気がしないでもないと思った。