静香ルート③

文字数 927文字

プルルルルルル



深夜、寝ていると突然、枕元の電話が鳴った。

ん……何? 誰? ……はい、もしも――
『久しぶりだな、元気にしているか?』
――――ッ! あんた……今更何の用? あんたとは家を出た時とっくに縁を切ったつもりだったんだけど?
『まあいいじゃないか、一応血の繋がった親子なんだ。たまに電話くらい掛けてみるのもいいものじゃないか。なあ、静香』
……僕はあんたと話すことなんて何もない。悪いけどもう切るから
『最近女に入れ込んでいるそうじゃないか。例の転校生。和光由紀、だったか』
……入れ込んでいる記憶はないけれど。それで、由紀がどう関係するの
『いや、なに。いい女だと思ってな。お前、もう抱いたのか?』
はあ!? ばかじゃないの。あんたの中学生のような短絡的思考回路には反吐が出る。言っとくけど、僕が居る限り由紀はあんたに手出しはさせない
『へえ……試させて貰おうじゃないか。お前が東十条の姓を持つ限り俺からは逃れられない。分かっているな?』
分かってるよ。でもそれは僕に関係のあることだ。あいつは関係ない
『ははは。お前をからかうのは面白いな。お前からその女を奪ってやろうか? お前の周りにあるもの全て、無くなってしまえばいい。そうしたらお前は天涯孤独。嫌でも東十条の名に縋るしかなくなるな』
~~~~~っ! 死ね!

僕は嫌気がさして電話を切った。

電話の相手は信じたくないけれど僕の父親。現東十条財閥の代表の座に位置する。ある日この広い屋敷に僕を置いていきなり消息を絶った。

何処へ行ったかなんて知らないし興味もないけれど、東十条の名がこの世から消えない限りはあいつがこの世のどこかで存在しているのだろう。



今まで電話等一切して来ずほったらかしにされていたのに何故今更電話など寄越してきたのか。

あいつ、由紀のことを言っていた。どうやって調べ上げた? ……いや、あいつの力を持ってすればそれくらいは容易いか。

……はぁ、嫌な声聞いちゃった。

あいつ、由紀のことを奪うとか言っていた。どうやって? もしかして何か危害を加えるとか? あいつならやりかねない。こうなると由紀を檻にでも囲って監視するしかないかな。檻に入れた由紀を想像してみて、それも悪い気がしないでもないと思った。

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登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

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