玲ルート⑥

文字数 1,126文字

「あ、そうだ。ねえ、あんま玲を舐めない方がいいよ。玲は舐めても美味しいあまぁい苺の飴の味がするけど玲は舐められるより舐める方が好きなんだよね」
「はぁ? 何意味わかんねーこと言ってやがる! いくぜ、おらぁあああ!」

男が拳を前に突き出し玲ちゃんに目がけ一撃を繰り出した。

「玲ちゃん!」

「だいじょうぶだいじょうぶ――っと、こんなの避けちゃえば当たらないよーっ!」

当たるかと思えた拳は玲ちゃんによってひらりとかわされ、玲ちゃんはその男の背後を取った。

「なっ――! いつの間に背後に!」

「もしかして、見えなかったの? ありえない。こーんなにかわいい玲を見逃すだなんて、ね! えいっ!」

と、玲ちゃんは男の脇腹に殴り入れた。男は苦しそうに顔を歪めた。

「がああぁぁ! うっ……くっ、くそっ。強ええな……」
「へへー、強くてかわいい男の娘だなんてス・テ・キじゃない?」

私はというと玲ちゃんがこんなに強いだなんて思わなくてこの光景を見て驚いていた。玲ちゃんの動きは完全に喧嘩慣れしているしその目は冷ややかだった。

「あっれー? もう終わりなの~? そんなのじゃ全然足りない。つっまんないよ~? ほらほら、玲を満足させてくれなきゃさあ!」

「ヒ、ヒィイイ! お前っ……ただ者じゃねえ! なんかしてるだろ!」

「玲って~、可愛いから昔からナンパとか誘拐犯とかに狙われることが多くってね~、空手とか護身術とか習い始めて癖になっちゃったんだよね。今は喧嘩だと誰にも負ける気はしないかな――じゃっ、続きやろっか!」

「おっ、俺はいい……! 俺はもう負けだ! お前っ、こいつをやってくれ!」

「はっ、はい! うらあああああああああああああああああぁあ!」
「だーかーらー、こんなに遅い動きじゃ玲に勝てないって言ってるの!」

「うわあああ!」

「えへへ~っ、これで全員かな~、まったく相手にならないんだから! 言ったよね、玲を舐めない方がいいよ~って。よ~くわかった?」

男2人「はっ、はいいいいっ! すみませんでしたああああ! これから兄貴と呼ばせて頂きます!」
「ぷぅ! 玲ちゃん兄貴だなんて柄じゃなーい、全然かわいくなーい。玲ちゃんって呼んでくれなきゃヤだ!」

男1&男2「玲ちゃん!!!!!!!! 俺達これから一生玲ちゃんに付いていきます!!!!!」

「うん! えへへ~、ファンの人たちが増えて嬉しいな~! これからよろしくね~!」

男1&男2「はい!!!! オネシャス!!!!」

そうしてあっという間に玲ちゃんは2人の男を従えていた。男の世界は弱肉強食。つまりはそういうことだ。私がいまだに状況が理解出来ずぽかんとしていると玲ちゃんと目があった。玲ちゃんなのに玲ちゃんじゃないような気がして緊張してしまう。

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登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

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