ミカゲルート②

文字数 1,211文字

わっ、ミカゲさん弓道の大会に出るんですか!?
はい。と言っても県大会ですから、そんなに大きくはないですよ

いやいや!すごいですよ!そういえば、弓道してるミカゲさん見たことないんですよね。きっとかっこいいんだろうなあ。こう…びゅってしたらびゅーんっなってどんっみたいな

関西人ですか貴方は……。よかったら見に来ますか?
えっ、いいんですか?

ミカゲ「はい。というよりも由紀様に見に来て欲しいです」

「ありがとうございます!絶対見に行きますね!えへへ、楽しみだなー!」
「頑張ります」
* * * * * * * * * * * * * *

夕方の弓道場に的を射る音が響く。

ミカゲ「…………ッ」

ビュッと放たれた弓は丁度中央に突き刺さる。中央に刺さる確率は2/3。まだだ、完璧にしないと優勝が出来るとは限らない。もっとだ、もっと射らないと――。



そう思ってぐっと弓を引く力を込めた時、パンッという音が鳴った。音の主は佐々木部長だった。

佐々木「ミカゲ殿、今日はそこまでにしとこう。」

ミカゲ「……いえ、まだやりたいです。だって、今のままじゃ完璧には射えません」

佐々木「それ以上やると腕が壊れてしまう。もう十分だ。君は今のままでも十分に戦える」

ミカゲ「…………」

佐々木「なにか譲れない事情があるのか?」

ミカゲ「はい」

佐々木「……あまり遅くならないようにな」

由紀様の為、私は絶対優勝をしたい。だって、かっこいい所を見せたいって思うんです。

佐々木「のう、ミカゲ殿。聞きたい事があるのだがいいだろうか」

ミカゲ「はい、なんでしょうか」

佐々木「お主は今恋をしておるのか?」

ミカゲ「…………え」

佐々木「いや、お主の瞳が燃え上がっていたからな。恋をしているのだろう?わかるぞ。照れるな照れるな。我も恋をしておるからな。目の前の頑張り屋の黒髪の美少女に……な」

ミカゲ「部長、正直引きました」

佐々木「なん……だと」

ミカゲ「でも、そうですね。きっと部長の言うとおり恋をしているのだと思います。けれどこの気持ちを恋と呼んでいいのか分かりません」

佐々木「うぬ、ミカゲくんは恋をしておるよ。その人の為必死になれるということはそういうことだと拙者は思うぞ」

ミカゲ「部長……驚きしました、たまにはかっこいい事言うんですね」

佐々木「拙者はいつも渋くてかっこいいと自負しているが?」

ミカゲ「すみません。けれど、私はもう少し練習してから帰宅します。練習付き合って下さってありがとうございました」

佐々木「うむ、弓道部の為、お主の為頑張ってくれ。ではまたの」

弓道部の部長を見送り、練習を再開する。本人は佐々木小次郎の血を受け継いでいると豪語しており、武士のコスプレをしている。3年生であるけれど2年ダブっていて、なぜ弓道部に入ったのか謎なくらい毎日竹刀を持ち歩いている変わった先輩だ。

ミカゲ「もう1回だけ……」

目を閉じすーっと息を吸い込み心を落ち着かせ目を開く。

そして、ゆっくりと弓を引く。

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登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

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