玲ルート⑦

文字数 2,510文字

「……由紀。まったく、玲ちゃんを置いてこんなとこに来るなんてダメなんだから! どれだけ心配したと思ってるの! ほんとに、探し出せてよかった……」

「ごめんなさい玲ちゃん。連絡入れずに付いてきちゃったのは私が迂闊だった。助けてくれてありがとう。玲ちゃん強いんだね。びっくりしちゃった」

「えへへ~、惚れ直しちゃった?」

「うん……惚れ直した。今の玲ちゃんすごいかっこよかったよ。いつもの玲ちゃんも可愛くて大好きだけれど違った玲ちゃんも素敵だった」

「実はね、玲が強くなれたのは由紀のおかげだよ! 由紀がおっぱい揉ませてくれるって言ったから玲はいつもの倍くらい力が出せちゃった!」

「もうっ……玲ちゃんったら」

「後でいっぱいいーーっぱい由紀のおっぱい揉み揉みするんだ~! それはもう玲の揉みテクで気絶しちゃうくらいに揉み揉みしちゃお~っと!」

「あはは……手加減してね……」

玲ちゃん!!!!!!!!!!!!

「なんでさっきから私が目の前に居るのに無視するの!? いっつもいっつもその子ばっかりに構って……そんなに私のことが嫌いなの? まるで玲ちゃんの目には私が映っていないような気がする……うっううう……」

「……ごめんね、君の気持ちには応えられないから――。由紀にこんなことを君は許せない」

「うっ…それはやりすぎたと思っているわ。でも……、そんな子なんの取り柄もないじゃない。私のほうが玲ちゃんのこと好きだし玲ちゃんも幸せになれるはずなのに……」

「玲は由紀と幸せになりたいの。由紀とじゃないと幸せにはなれない。わかってくれる?」

「…………わからないわ」
「じゃあ、わかってくれないなら――」
「きゃっ!」

気が付けば私は玲ちゃんの腕に体をぎゅっと包み込まれていた。

「好きだよ、由紀。この指も、髪も、おっぱいも瞳も、唇もぜんぶ好き。このままキスしよ――?」
「れ、玲ちゃん! いきなり何を言って……んっ……」
「んっ、ちゅ……ちゅぷ……ふっ……」

「ふぁ……っ、はっ……ちゅ……」

「玲は由紀のことが好きみたい。由紀の全部が欲しいっていう気持ちでいっぱいなの。玲の未来は由紀としかないって、証明しよ?」

「う、うん……私も玲ちゃんのことが好きだよ……」

「えへっ、やったあ! 由紀と両想い~! これで由紀は玲のものだね! もう誰にも譲らせない――玲だけのおっぱい……もにゅもにゅ」

「ちょっ、玲ちゃん!? こんなとこで揉んじゃやだよ……っあっ……!

「感じてる由紀かわい~! でもさっき後でおっぱい揉み揉みしていいって約束したよね? 忘れたとは言わせないよ~」

「ええっ……もしかして玲ちゃんって私の胸目当てなんじゃ……」

「えー、違うよぉ。おっぱいは由紀の体の一部として愛してるんだよぉ。由紀のことは全部好きで、おっぱいはその中の一部。おっぱいだけ愛してるなんてそんなわけないじゃん!」

「あはは……そうだよね……」
「うん! ……ってことで~、もみもみ~~」
「きゃっ……そ、そこはだめっ……ぁあ…ン……」

「由紀ってばここが気持ちいいの~? 乳首が感じやすいだなんてえっちな子だな~。もしかして~……日頃からずっと触ってるとか?」

「ちがっ、違うの! 毎日っていうかほんとたまにってくらいで! ……うぅ……エッチな子でごめんなさい……」

「なんで謝るの~? 玲はエッチじゃない由紀は好きじゃないな~。由紀が前から一人でしてるのなんて知ってたし乳首が特別感じやすいことなんて分かってたよ~」

「ええっ!? うそ! なんで!?」
「それはね~~……ふっふっふっ、ないしょ~!」
「もうっ……気になるよ!」
「それは、もう少し後で教えてあげる。玲たちの初えっちの時に!」
「うん……わかった……」
「あれ~? 由紀顔が真っ赤だよ~? もしかして、えっちって言葉に反応しちゃった?」
「違う! 違うの! 玲ちゃんとのエッチを想像してたわけじゃ――! あ……」

「えへへっ、由紀ってばかわい~! 玲たちの初えっちはもうずっと濃厚で甘く蕩けるようなやつをしよっ! そして、誰にも負けないくらい愛し合お!」

「うん、そうだね……。玲ちゃんと愛し合いたい。玲ちゃんのこと愛してるから――」

「玲も由紀のこと愛してる~! ん~……ちゅっ!」

「きゃっ! 玲ちゃん、くすぐったいよぉ……」

「えへへ、もっとしちゃおっ~~と! とろとろに気持ち良くしてあげる!」

私は玲ちゃんとたくさんのキスを交わしてその名の通りとろとろに溶かされてしまった。玲ちゃんとのキスは気持ちよくてどうにかなってしまいそうだった。

「……で、いつまで見てるの? 玲たちのラブシーンを邪魔しないでくれるかなぁ」

「こんなの……こんなの私が好きな玲ちゃんじゃない……不潔ですわーーーーーーーーーーー!! うわーーーーーん!!」

そう言って女性徒は男2人組を連れて教室を出て行った。教室には私達だけが残された。そういえばすっかり頭から抜けてしまっていたけれどあの子達の前だったんだ……! そう気づいて顔が熱くなった。

「……いいの? あの子玲ちゃんのファンの子だったんじゃ……」

「いいよ、だって玲の大事な由紀を危ない目に合わせようとしたんだし。今回は玲が助けられたから良かったものの気を付けてね? 由紀はかわいいんだから」

「かわいいなんてそんな……でもありかどう」

「あ、でも由紀はかわいいけど、玲だってかわいいんだからね? 由紀に負けないくらい玲だってかわいいんだから!」

玲ちゃんはそう言うけれど、さっき助けに来てくれた玲ちゃんはとてもかっこよかった。いつもの玲ちゃんとは違って可愛いというイメージとは異なっていた。一体どっちが本当の玲ちゃんなんだろう。ちらりと横の玲ちゃんを見ると目があった。

「えへへっ、由紀、好きだよ!」

「うん……私も好きだよ」

大好きな玲ちゃんとこうしていられるのはどれだけ幸せなことなんだろう。そう考えて嬉しくなってしまい、つい笑ってしまうとつられて玲ちゃんも笑った。



玲には由紀との未来しかない、と玲ちゃんはさっきそう言っていたけれど私にも玲ちゃんとの未来しかないとそう思っている。今日は私達の未来が始まった特別な日だった――。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色