ミカゲルート④

文字数 779文字

ミカゲ「ふぅ……」

袴に身を包み、深呼吸をして精神を統一させる。

そうするだけで今までの景色が少しだけ変わって見えた。

佐々木「ミカゲ殿、出番だ」

ミカゲ「はい」

佐々木「頑張ってくるのだぞ」

アナウンス『聖藍高校2年、豊前ミカゲさん――――』

私の名前を呼ぶアナウンスが鳴る。ゆっくりと弓を持ち射場へと向かう。



彼女――由紀様は見ていてくださっているでしょうか。

由紀「ミカゲさん!頑張ってくださーい!!」

ミカゲ「由紀様……」

由紀様が私に手を振ってくれた。……よし。そして私は弓を構える。片目を瞑り、的だけを見据え、勢いよく弓を引いた。1本目、弓は丁度真ん中を射、快中。2本目

ミカゲ「…………」

微妙だった。矢は中央をずれ、端に申し訳程度に刺さった。正直これは優勝出来るか分からない。3本目

ミカゲ「…………――――!」

そして3本目、矢は見事中央を打ち抜いた。



やりました由紀様。私は自然と彼女の方を向いてしまった。彼女は私に気付くとにこりと笑ってくれた。

* * * * * * * * * * * * * *

ミカゲさんの放った矢は見事真ん中に的中した。

私は見入ってしまっておそらく息をするのも忘れていた。

そして、やはりミカゲさんは圧倒的優勝だった。

ミカゲ「今日は見に来てくださってありがとうございました。おそらく由紀様のおかげで優勝出来たのだと思います。貴方が応援してくださったからです」

由紀「いやいやそんな!私なにもしてないですよ。ミカゲさんが凄かっただけです」

ミカゲ「由紀様」

由紀「なんですか?」

ミカゲ「明日――女の子同士のお友達として私とお出かけして頂けませんでしょうか」

由紀「お出かけですか? はい、私でよければ」

ミカゲ「それじゃあ明日、駅前に。私の気持ちを確かめたいのです」

由紀「……気持ち?」

ミカゲ「いえ、こちらの話です。気にしないでください。ではまた明日」

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登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

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