ミカゲルート⑧

文字数 856文字

「はぁ……。ミカゲさんに昨日は悪い事しちゃったな。よく考えたらミカゲさんにとっての私ってそれくらいの存在が普通だよね。今日会ったら謝ろう!」

「由紀様。お待ちしておりました」

「って…ミカゲさん!? どうしたんですか! あっ、昨日は勝手に帰っちゃってすみませんでした!」

「その事はいいのです。私、貴方に伝えたいことがあるのです。聞いて頂けますか?」
「伝えたい事……?」
「まず、昨日貴方の気持ちも考えずに突然キスしたことすみませんでした。嫌でしたよね、すみません」
「いっ、いえ! 嫌だなんて、そんなことないです!」
「由紀様に友達だからキスしたんですか? と聞かれたことについて考えてみました。何故私が突然貴方にキスをしたくなったのか――それは友達だからなんていう単純な理由ではありませんでした」

「どんな理由なんですか……?」

「あの時、貴方が愛しい、可愛い、私のモノにしたいと思ったからキスをした。好きだからキスをした――よく考えたら分かることです。何故貴方のことを想うと胸が高鳴るのか、貴方の為に弓を引こうと思ったのか。それは好きだからです」

「好き……? ミカゲさんが、私のことを……?」

「私、こんな恰好をしているから自分が男だということを忘れていました。今まで女性を好きになったことなんてなかったですから――。女の子になれたらいいのに、そう思っていました。けれど、女の子だと貴方と恋が出来ませんね。由紀様、私を男にして頂けますか?」

「はっ……はい! 私も、ミカゲさんのことが大好きなんです!」
「それは、ラブの意味ですか?」
「ラブの意味です!」 
「ふふっ、可愛いですね。お互いの気持ちを確かめ合った後で、恋人同士のキスをしてもいいでしょうか?」

「はい……んっ…」

「いい子ですね。チュ……。はぁ……貴方が好きだと気付いたら貴方がもっと欲しくなってしまいました。好きです。大好き」

それから、私達は学校に遅れることも厭わずに延々と浴びるほどのキスを繰り返した。この日から、私とミカゲさんの関係は友達から恋人へと変化した――。

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登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

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