准ルート①
文字数 1,573文字
俺にとって女の子なんてどれも同じだった。
同じだった、ハズだった。
俺にとっての女の子、それはちやほやしてればすぐに好きになってくれる。
それは一夜だけの関係の時もあったし複数の女の子と付き合ったりもした。
でもどれも本気になれなくて、何やってんだろうとやってから思うばかりだった。
そんな最低な俺の前に彼女が現れた。彼女は他の女の子と違っていた。この子なら面白い恋が出来そう、と直感で感じた。
恋がしたいだなんて、我ながら笑っちゃうよ。
朝、教室へと向かうとそこには女子の軍団が出来ていた。しかもその軍団は私の席の周りに出来ている。とにかく、行ってみるしかない。
能代准先輩。
正直いつもチャラチャラしているなと思ったのが第一印象だった。
でもなんだかほっとけなくて、放っておくと消えてしまいそうにもろい人だから、気になってしまった。
気付けば気になっていて気づけば好きになってしまっていた、そんな人。
この隣のうるさいクソホモのことは聞き流し、ふと考える。今のまま女の子達と遊んでいていいのかな、と。多分俺は寂しいだけだ。ぽっかり空いた心の隙間を埋めてくれるような、そんな女の子が現れたのなら、その子だけしかいらないのにな。由紀ちゃんに言われたのが結構キたな。……ていうかあんなこと初めて言われたかも。