ミカゲルート⑦

文字数 860文字

「ただいま戻りました」

「おかえり。今日はショッピングするって行ってたけど何でこんなに遅くなったの? 普通1時間くらいで終わらない? ……って何その恰好。……めちゃくちゃ可愛いんだけど

「……静香様。どうしましょう。私、由紀様に嫌われてしまったかもしれません」

「なんだ。遅いと思ったらあいつと居たの? ってうわぁ! 何泣いてるのさ!」

「……すみません。静香様、私の何がいけなかったのでしょうか」

「……はぁ。しょうがないな、今回は僕が聞いてあげる。ふん、僕の相談料は高くないんだからね! それで、あんたは何をしたの?」

「キスをしたかったからキスをしました。そうしたら、由紀様が帰ると――」

「……待って。あんたいきなりキスしたの? つまりはそういう関係になったっていう訳?」

「いいえ。お友達同士のキスのつもりでした」

「はあ? 友達同士のキスだってことをあいつに言ったの?」

「はい。友達同士だとしか思っていないんですか? って言われたので由紀様は友達ですって答えました」

「あんたばかじゃん! 確かに友達かもしれないけれど、よく考えてみなよ。何でいきなりあいつにキスしたの?」

「それは……由紀様のことが可愛いって思ったからです」

「それって、男として女としてのあいつが可愛いって思ったっていうことでしょ? その感情ってなんて言うの。あんたのよく読んでいる漫画に書いてある」

「――私は、由紀様のことが好きなんでしょうか」

「さあ? 僕は知らないけど。人の気持ちなんて本人にしか分からないからね。でも、まあそうなんじゃないの? しっ、知らないけど!」

「……はい。私が完全に男になってしまうのが怖くて気付いていたけど気付かないフリをしていました。私は由紀様を恋の意味で好きになっている――」

「いいの? あんた、もう男になっちゃうんだよ。もう戻れない」

「――いいのです。好きな女の子を愛せるのならば、男の方がずっといい。自分の気持ちに気付けてよかった。静香様、ありかどうございました」

「明日、学校でちゃんとあいつに言いなよね」

「はいっ……!」

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登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

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