和海ルート⑤

文字数 1,411文字

というわけで、和海くんを玲ちゃんにお姫様抱っこをしてもらい保健室まで運んで貰った。廊下を歩くとき周りに注目されていたので和海くんごめん、目が覚めたら周りからからかわれるだろうと思う。

「ん……あれ、ここ……」

「あっ、よかった。和海くん目が覚めたんだね。保健室だよ、玲ちゃんが運んでくれたの」

「玲が……そっか、後でお礼言わなきゃな。お前もさんきゅな、いきなり倒れて迷惑したよな」
「和海くん熱があったんだよ、自分で気が付かなかった?」

「そっか、お前と居る時はいつも心臓がドキドキして顔が赤くなるから気が付かなかった。オレ熱があったんだな」

「ねえ、待って。和海くん……私と居るとドキドキするの?」

「え、あ……オレ熱があるからってなんてことを……! こんなのまるで告白……

「和海くん?」

「あ、ああ……ああ、そうだよ! オレはお前と居るとドキドキっしぱなしなんだよ! ドキドキしすぎて心臓止まりそうなんだよ! 悪いか!」

「なんでキレ気味!? これも熱のせいなの!?」

「だから……だから、お前と上手く喋ろうと思っても全然話せないしそっけない態度取っちまう。お前に嫌われたらどうしようって思うんだ。お前に好かれたい」

「……うん」

「お前に好きになって貰うにはどうしたらいいかな……お前に可愛いじゃなくてかっこいいって言われる男になりたいんだ……」

「……ばかだね、和海くん」

ば、バカ……!?

「和海くんはかっこいいよ、困っている人が居たらすぐ助けに行ったりするところとか凄くかっこいいなって思うよ。和海くんのその太陽みたいな笑顔にいつも私は元気を貰っているんだよ。あのね、私ずっと和海くんに言おうと思ってたことがあるの。聞いてくれる?」

「え、ああ、うん……なんだ?」

「私、和海くんのことが好きだよ」

「え……!? ええええええええ!? お前が、オレのこと好き……? はははは、今日って4月1日だっけ?」

「やだなぁ、今は10月だよ」

「……まじで? あ、夢かもしれねえ。そうだ、そう! ごめん、オレの頬抓ってくれねえか? 思いっきりキツくでいいから」

「えっ、うん……わかった、いくね」

「いててててててて! 痛い! わかった、これは夢じゃねえ!」

「もう、嘘でも夢でもないよ、私は本当に和海くんが好きなんだよ」

「……まじか、信じらんねえ。……いや、待て。こういうのはちゃんとオレから言いたい。言わせてくれるか?」

「うん」

「オレ……ずっと…お前を初めて見た日から気になってたんだ。それで、可愛いなって思ってもっと知りたいなって思った。それで、振り向いて貰おうと思ったんだけどオレ女慣れしてないしどうやってアプローチしたらいいかわかんねーし、段々不自然になるし……」

それで――ああもう! 手短に言うぞ! 好きです、オレと付き合って下さい! これからの人生オレと歩んでいきませんか!」

「……はい、お願いします」

「よっしゃあ!! オレ今すげー幸せかも! もう死んでもいい! これからよろしくな、由紀!」

「うん、こちらこそよろしくね、和海くん」

「へへっ、何だかオレお前と普通に話せてるかも。すげー簡単なことだったんだな。はー……やべえ、嬉しくてはしゃいでたら熱が上がってきた……」

「ええっ!? 大丈夫? 安静にしてないとだめだよ、ほら、横になって」

「ん……、なあ、寝ている間お前の温もりを感じられるように、手を繋いでもいいか?」

「もちろんだよ、ゆっくり休んでね」

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登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

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