和海ルート⑥

文字数 1,062文字

「なんでオレと玲がホモカップルだって言われてるんだよ!!」

「それは~、玲が和海ちゃんをお姫様だっこ~して廊下を歩いたせいだよ~! もうね~、全校生徒の視線をく・ぎ・づ・けしちゃってたよ、きゃっ! 玲かっこいい~」

「……まぁいいや、なんか怒る気無くした。おーい、由紀帰ろうぜ~」

「あっ、うん、ごめんねちょっと待ってて」

「あれ、あれあれあれ~? ねえ、和海ちゃんと由紀ってもしかして……!」

「……なんだよ」

「きゃ~~! 玲聞いてなーい! おめでとう、和海ちゃん! 和海ちゃんに彼女出来なかったらどうしよ~って玲は不安だったけどこれでチェリー卒業だね!」

「……おう、さんきゅーな、玲」

「和海くんおまたせ! ……って、あれ、2人共どうかしたの?」

「ううん、なんでもな~い! じゃあね~、2人で仲良く帰ってね~! ばいばーい!」

「あっ、うん、ばいばい玲ちゃん!」

「さーて、帰るか」

「うん! でもその前に猫さんのところ行ってもいい?」

「ん? ああ、いいよ。行くか!」

「こんにちは猫さん、今日も来たよ」

「にゃー」

和海くんが熱で倒れた時以外にこの猫さんは喋っていない。あの時喋ったのが嘘のようだった。あの時の私は幻聴を聞いたのだろうか。

「というかこいつすっかり大人しくなっちまったんだよな……つまんねーっつーか……」

「和海くん猫さんと仲良かったもんね、寂しい?」

「寂しい……かもな。でも今のオレにはお前が居るからそんなに寂しくはねーや」

「和海くん……。和海くんあっさりそういうこと言えるようになっちゃったよね。そういうのかっこよくてドキドキしちゃうよ……」
「……由紀、こっち向いて」

「ん、なに? ――んっ!」

「へへっ、キス! お前が可愛いこと言うからキスしちまった!」

その笑顔に胸がきゅんと締め付けられた。どんどんとかっこよくなっていく和海くんが眩しく光って見えた。和海くんのことが好きだ思うと堪らなくなった。

「和海くん……、あのね、――好きだよ!」

「――! おま……それは、可愛すぎて……ずるい……」

それから猫さんと遊んでいたけれどちょうどいい時間になってしまったので帰ることにした。

「猫さんばいばい、また来るからね」

「にゃー」
* * * * * * * * * * * * * *
「……全く、ラブラブっぷりを見せつけられる猫の気持ちにもなってみろってものにゃ。……まぁ、あいつらが幸せそうにしているのを見るのも悪くはないにゃ。こういうのはリア充末永く爆発しろとJKが言っていたやつにゃな」

と、2人が帰った後にぽつりと猫の独り言が響いた。

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登場人物紹介

和光由紀 

ヒロイン、だけど周りの女装男子が可愛すぎて霞む。転校生。Gカップ

東十条 静香ちゃん

全6話構成。身長が低いコンプレックスに悩む。親に放任されつつ、監視されている。庭園でお茶したり、読書することが好き。

能代 准ちゃん

全5話構成。学園の女子人気殆どを占める。女の子が好きで、彼女がたくさんいる。楽しいわけではない。

豊前ミカゲちゃん

全8話構成。弓道部のエース。静香様の下僕。静香様をお慕いしている。少女漫画や、ファンシーなものがすき。性同一性障害の気がある。

千倉玲ちゃん

全7話構成。おっぱい魔人。常におっぱいのことを考えている。由紀のおっぱいがお気に入り。

恵村和海ちゃん。

全6話構成。純情少年。喋る猫がでてくるなんかよく分からない個別。

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