k-47

文字数 1,660文字

 翌朝、チャージアローの練習をしていたら、偉そうな人が、豪華な飾りのついた馬に乗り、武装した冒険者30名ほど引き連れてやってきた。ジュノとマルゴもいる。たぶん偉そうにふんぞり返っているので、貴族様か何かだろうか。

 ジュノが身振り手振り、あとは地面に絵を書いて俺に説明してくれたところによると、この人達は森のダンジョンに調査に行くらしい。で? 俺に何の用かね?


「○×△◆~!▼●■×~!」


 貴族さまが何か言ってる。嫌ですよ旦那、俺はしがない小市民。モンスターなんて、あなたたちみたいな強い人が相手をすれば良いじゃないですかあ。

 俺はジュノーに「ノー」と返事をすると、真っ青な顔をしたジュノが首をぶんぶんと振った。これ断れないやつか?

 しかたなく、「イエス」と返事をすると、貴族様は満足げに頷いた。でも、やばそうなら逃げるぞ?

 俺は装備を整え、その物々しい一行について行くことになった。アッシュは可哀想だけど、お留守番だ。首輪を鎖でつないで、柱にくくりつけ庭に放しておいた。エサと水は十分においてあげた。ロシナンテ(馬)と鶏にも、十分な水とエサをあげておいた。

「パパお仕事。良い子にしてなさい」

「ワン! 」

 アッシュは、良い子にちゃんとお座りして、俺をお見送りしてくれた。そして、俺は家を後にした。

 ◇◇◇

 結果的に言うと、俺たちはダンジョンにたどり着く前に敗走した。

 何が起こったかと言うと、コカトリス3体、ヘルハウンド4体に囲まれたのだ。

 俺の家までヘルハウンドがやってきたのだ、森の中に行けばそりゃうじゃうじゃいるだろうよ。1体ならばまだ倒せる目があっただろう。しかし、同時に7体は厳しかった。

 貴族様は「突撃~!」と言っていたと思われるのだが、みんなスタコラサッサと逃げ出した。一部の冒険者は毒、石化、火達磨になって死んだ。見ると、貴族様も取り巻きに連れられて無事逃げ出せたようだ。

 俺はマルゴとジュノにパルナ解毒薬を渡し、彼らの盾になってフォートレスを発動。ヘルハウンドの火炎放射をもろにくらった。

 かろうじてデュアルポーション(中)を飲み、ドヌール毒の弓矢をヘルハウンドに打ち込み一体だけは片付けた。俺たち三人は肩を貸し合って逃走した。


『個体名:奥田圭吾は火炎耐性Lv2を取得しました』


 俺の家に到着すると、俺たちは自分たちのあまりの滑稽さに爆笑してしまった。

 貴族様もこれに懲りて、無茶は控えてくれるとありがたい。

 お湯を沸かして汚れを落とし、傷をポーションで治療。アッシュを開放したら、庭を飛び回っていたよ。俺たちは飯と酒で慰労会をすることにした。

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 みなさんこんにちは! いつもお読みいただきありがとうございます。

 お貴族っぽい人(笑)の登場です。異世界ものでは定番のお貴族様。本作品では言葉が通じないお貴族様(笑)がどれだけ厄介な存在なのかを表現していこうと思います。

 作品を書くモチベーションになりますので、本作を読んで応援したいと思った方は、ブックマーク、評価、応援コメントをよろしくお願いいたします。

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