k-95

文字数 1,447文字

 翌朝。

 ドンドン

 ドアを叩く音がする。誰だ。鶏たちが驚いて騒ぎ出す。

 ドアを開けると、ガタイの良いマルゴが笑顔で立っていた。

 どうやら話を聞くと、あの羽の生えたトカゲモンスターが退治されたらしい。別の町の熟練冒険者がやってくれたそうだ。

 マルゴは木の棒で地面に描いたトカゲの絵にバッテンをしたものを足でかき消した。

 良かった……。これで、ようやくいつもの生活が送れる。

 俺は、町の中以外で安全な場所があれば、そこに家を建て、引越しをすれば良いのではないかと思った。マルゴにジェスチャーと絵で聞いてみる。

 マルゴ曰く、ここから北にある町の近くにもダンジョンがあり、やはり町の中以外で安全な場所はないとのことだった。

 むしろ、町も今回のようなトカゲモンスターの脅威に晒されているので、安全とは言い切れないとのこと。


 ――それでも俺は、町に住むのは嫌だ。


 それならば、当面危険なモンスターに討伐報酬を出すという方向で、考える他はなさそうだ。

 なお、マルゴの説明によると、あのトカゲモンスターは、ダンジョン由来のものではなく、遠くから飛来してきたものらしい。

 ということは、あのトカゲモンスターが討伐されたことで、一応平穏な日常は戻ってくると考えて良さそうだ。

 心底ほっとした。しかし念のためだ。討伐報酬をかけておこう。

 俺は帰りがけのマルゴに金貨50枚を渡し、あのトカゲモンスターが近隣に出没した場合の討伐報酬にしてもらうよう頼んだ。

 今日は、火を使って何か温かいものでも食べよう。マルゴが帰ると、俺は緊張の糸が切れた。


 切り株に腰掛け、俺はしばらくの間、曇天の空を仰いでボーっとしたのだった。

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 みなさんこんにちは。ここまでお読みいただきありがとうございます。

 トカゲモンスター=レッサードラゴンの脅威が去って一安心のケイゴでした。
 もはやジュラシックパークの世界。こんな異世界絶対行きたいくないです。サバイバルってタイトル的にはこれでいいんだと思いますけれども。

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