k-32

文字数 1,163文字

 16:00
 コカトリスの素材の配分が決まり、俺は、ちょっとした実験をしようと考え付いた。

 というのも、コカトリスの毒腺を用いた新たな毒の開発である。

 マルゴとジュノは用があるとのことで先に帰った。サラサは俺の雰囲気に不穏なものを感じたのか、残ると言い出した。

 試すのはズバリ、ゲバル毒の素材に、コカトリスの毒腺を加えて煮込んだらどうなるか。というものである。

 グツグツ煮立つ鍋にガドル毒草、バドル毒草、コカトリスの毒腺を入れて煮込む。

 俺は集中して混ぜる。

 ある程度煮詰まると、少し鍋の中の液体が発光し、ゲバル毒は薄紫色をした液体だったが、さらに深く赤みががった色の液体になった。

 完成したっぽいので、鑑定してみると、【毒】とだけ表示される。

 はっきり言って、滅茶苦茶怖い。しかし、試してみないと、何に使えるかわからない。

 何をするのか察したサラサは、目をひん剥いて俺の腕をつかみ止めにかかる。

 しかし意を決した俺は、コカトリスの石化攻撃さえレジストする、パルナ解毒ポーションを片手に、その毒物を一滴舐めた。

 頭に雷が落ち、世界が回った。急いでパルナ解毒ポーションを口に含み飲み込むが、そのままぶっ倒れ、俺は意識を失った。


 ◇◇◇


 目が覚めた。物凄い頭痛がする。

 「み、水……」と、サラサが心配そうな表情で俺の顔を覗き込み、体を起こし、水を飲ませてくれた。


『個体名:奥田圭吾は毒耐性Lv4を取得しました』


 サラサに鬼のツノが生えていた。

 本当にすみません。もう一度、パルナ解毒ポーションを一口飲むと、頭がスッキリした。

 おお。そういえば、それどころではなかったな。また、死の淵を見たぜ……

 例の毒を鑑定をしてみた。【ドヌール毒:薬効(大)。レジストするには毒耐性Lv7が必要】と出た。

 ゲバル毒が薬効(中)だから、そのさらに上の毒ということだ。

 とりあえず、矢に塗るという使い方をすれば、今よりさらに敵を倒しやすくなりそうだ。



 15:00
 本当に俺はまる一日ぶっ倒れていたらしい。サラサが介抱してくれなかったら、やばかったかもしれない。

 ドヌール毒はそれだけヤバイ毒ということだ。

 そして、冒険者ギルドカードを見ると、ポイントのところが51から、95になっていた。

 どういう仕組みかわからないが、マルゴがコカトリスの報告してくれてポイントが入ったということなのだろう。

 俺の無事を確認した後、サラサは町へ帰っていった。

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 みなさんこんにちは! ここまでお読みいただきありがとうございます。

 ということで、新たなヤバイブツ(?)を発見したケイゴでした。

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