k-8

文字数 1,501文字

 10:00
 次の日、俺は朝食と鶏の世話を終え、皮鎧とショートソードにショイコを背負うという姿で探索に出かけた。いつも通りスライムを狩りつつ、植物を採取して回る。

 今日は葉の形が細長く、黄色い花をつけている植物、もみじの形をした葉に紫とピンクが混ざった色をした花をつけている植物を発見した。

 その他、イレーヌ薬草、ムレーヌ毒消草も採取した。

 思うに、これって、葉を煮詰めて液体にすることでポーションにできるのではと思い至り、今度作ってみようかなと思う。

 そして、スライムを狩り続けること一二体目で。


『個体名:奥田圭吾はLv2からLv3になりました。体力7→8、魔力2→3、気力3→4、力7→9、知能68→69、器用さ10→11、素早さ9→10』


 13:00
 そろそろ切りが良いかなと小屋に戻る。

 そして、「花」としか表示されなかった、二種類の新たな植物の鑑定をすることにしたいと思う。

 まず葉の形が長く、黄色い花をつけている方の植物を鑑定してみた。匂いは特に問題ないようだ。

 ムシャムシャ……。俺は、その植物の葉を注意深く噛みつつ飲み込む。

 頭の奥の方が温まる感じがした。イレーヌ薬草は体全体が暖まる感じがするのに対しこれは、頭がスッキリするような感じだ。そして、再度鑑定をしてみると。


【ベルジン魔力草:葉と花びらに魔力と気力を回復させる成分が含まれている】


 ふー、毒草ではなかったようで一安心である。

 まるで、ロシアンルーレットをしているかのような心境である。これは数株採取してきたので、庭に植えることにする。

 次は、紅葉のような葉をした、ピンクと紫色をした花をつけた植物の方である。嫌な予感がするが、食べてみないことにはわからない。

 注意深く、スンスンと匂いをかいでみるが、やはり判別不能だった。しかし、有益な薬草であるの可能性も捨てきれない。


 ままよ。俺はムレーヌ解毒草をもう片方の手にもち、意を決して草を口につっこむ。

 ……うげ。舌がビリビリする。草を飲み込むと頭にガツンと衝撃がきた。と同時に意識が混濁し始める。

 まだ、かろうじて意識がある俺は、ムレーヌ解毒草を急いで飲み込む。

 パタリと倒れること30分あまり。解毒に成功したのか、俺はなんとか意識を取り戻した。


『個体名:奥田圭吾は、毒耐性Lv2を取得しました』


 またもや、機械的なアナウンスが流れる。

 これも修行の一環ということになるのだろうかと、天井を見上げながらボンヤリとアホなことを考える。

 優秀な暗殺者は毒を少量ずつ飲み、耐性をつけると言うし、もしかするとこれも似たようなものなのかもしれない。(いや、それはない)

 そして、再度植物を鑑定してみた。


【ガドル毒草:意識を混濁させ、幻覚を見せる毒草】


 これのせいで死にかけたので今すぐ投げ捨てたい気持ちはやまやまであるが、ゲットしたアイテムは有効利用するべきだろう。

 この毒草も一応数株もってきているので、ハーブや食物類とは別の場所に一応植えておくことにする。


 そういやバドル毒草も売ることができたのだから、毒草にも何か使い道があるのかもしれないなと思った。

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 みなさんこんにちは! お読み頂きありがとうございます。

 ということで、タグの「中途半端な鑑定のせいで毒草を食って死にかける」パート2でした。

 フグ好きはあのピリピリした感じがたまらなく好きと言いますが、ケイゴもスリルに病みつきにならないかちょっと心配です。

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