k-79
文字数 1,415文字
翌日昼下がり。丁度、畑の世話をして体の汗をタオルでふいていたらマルゴ、シュノ、サラサが血相を変えてやってきた。
何かあったのか? ……というか、もの凄く嫌な予感がする。
俺はとりあえず、落ち着け、ビークールとジェスチャーをして、マーブル草のハーブティを出してあげることにした。
お手製テーブルセットの切り株に、4人で腰掛ける。
深刻な話っぽかったので俺は一応マジックボードをもってきた。
なんでも、アホ貴族さまが、再度ご出陣あそばされるらしい。
で? 俺に何の関係が? そんなの、強い人たちだけで頑張れば良いじゃないですかあ。
「○×■□…▲×。○○×□……」
マルゴの言葉に、俺はわからないふりをしようかと真剣に悩んだ。
「は? 洋子さん今何か言ったかの?」とおじいちゃんに成りきってやるかと。亜種として、「洋子さん飯はまだかのう?」というボケ技がある。
実際言葉がわからないわけだしな。
しかし、「秘技洋子さん」は結局発動しなかった。
……なんということだ、ギルドマスターの指名らしい。しかもジュノとマルゴ、カイ先生まで。あとはあの大蛇を討伐してくれた冒険者パーティも。
これは逃げられないやつか? 俺の格好を見てほしい。農民やで?
今まで畑で葉っぱいじってたのお前ら見てなかったのか。
色々すったもんだ話したが、俺は参加せざるを得なくなった。マルゴとジュノが同行するのだ。俺だけ行かないというわけにはいかないか。
ダンジョンに行く間のアッシュ、鶏、ロシナンテの面倒はサラサが見てくれることになった。アッシュはサラサに懐いているからな……。
下を見ると、アッシュがサラサにスリスリして尻尾を振っていた。少しジェラシーだ。
15:00
準備があるということで、三人はレスタの町へ帰って行った。
なら、俺も最低限、生きのびるための準備でもしなければ……。
俺はポーション作り、保存食の確認を行った。また、鍛冶小屋にこもり、念入りに装備のメンテナンスを行った。
20:00
うう……やだなあ……。胃のあたりがキュルキュルする。
俺は夕飯を軽く済ませたあと、アッシュを抱っこして布団に入り、ガクブルした。
返せよ、俺の平穏な日常。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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