第11話

文字数 589文字

2人で暮らしている部屋は特別広いわけではない。
そのため、収納スペースも限られてくる。
なんとなく2人で共有している収納スペースをいじろうかなと思って、健斗さんに声をかけた。

「健斗さん、ここに入れてるものちょっといじってもいいですか?」
「もちろん、いいですよ」
「私が触っちゃうと順番とかめちゃくちゃになっちゃうかも」
「別に構いませんよ。そこはお互いに普段使わないものを入れているんですから」
「間違って健斗さんの荷物開けちゃっても許してくれます?」
「ふふっ、許すも何も別に好きなだけ見てもいいですよ」
「え~、見られて恥ずかしいものとかないんですか?」
「私はないですね。なるみさんがよく言う黒歴史もないですし」
「へいへい、そうでしょうね~」
「なるみさんは見られて恥ずかしいものがあるんですか?」
「んー……あれ?ないかも」
「あれだけ黒歴史だ何だと言っていたのにですか?」
「まぁ、黒歴史は置いておいて。私、荷物とか見られちゃうの恥ずかしいというか、嫌だったんですけど、健斗さんなら平気なんですよね」
「ふふっ、そうですか。まぁ、私も荷物を見られて平気なのはなるみさんだけですけどね」
「私、一緒に暮らすようになって健斗さんになら何されてもいい体になっちゃってるんですかね……?」
「誘ってます?」
「違います」
「……さぁ、片付けるなら私も手伝いますから。早く終わらせてお茶でもしましょう」
「はーい」
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