第33話

文字数 1,355文字

「あっ、あっ……んんっ!……け、健斗さん、休憩……」
「ふふっ、いいですよ」
「はぁ……今日ハイペースすぎですよ……」
「単になるみさんがいつもより早くいっているだけでしょう。いつもよりすごいですよ」
「そんなのわかんないですよ……お水、飲みたいです」
「わかりました」

健斗さんの舌と指だけでもう軽く10回以上はいってしまった。
シーツを手で探ってみると、結構なシミになっていそうな感じ。
私ばっかりこんなに気持ちよくていいのかなと、ぼーっとしていると水を持ってきてくれた健斗さんが顔をのぞき込む。

「起き上がれますか?」
「無理です」
「まぁ、そうでしょうね」

手を伸ばすと、健斗さんはいつものように抱き起こしてくれた。
健斗さんの肩に頭を乗せて、水を飲む。
私の頬を健斗さんは指の背で撫でてくれる。

「疲れましたか?」
「はい……」
「なら、今日はもうやめますか?」
「ううん……」
「ふふっ、痛かったり不快に感じたりすることはなかったですか?」
「ないです……ずっと気持ちよかった……」

水を飲みながら、自分でもだいぶ頭の悪い返事をしているなと思ったけど、快感の余韻がなかなか抜けなくて、それ以上に頭が回らなかった。
そんな私を見ながら、「いつも素直ですけど、いつも以上に素直で可愛いですね」と健斗さんが笑っている。
しばらくぼーっとしながら健斗さんに甘えていると、少しずつ頭が回るようになってきた。
頭が回るようになったらなったで、思ったことをそのまま口に出してしまった。

「……健斗さんってもともと口と指で攻めるのが好きだったんですか?」
「いえ、特にそういう傾向はなかったと思いますけど」
「私とするとき、無理してないですか?」
「ああ、そういうことですか。無理はしてないですし、なるみさんを口と指で攻めるのは好きですよ」
「でも時間の比率で考えたら、健斗さんが気持ちいい時間って1割くらいじゃないですか?」
「私が単純に出すという意味で考えたらそうかもしれないですけど、私は自分が出すよりもなるみさんにとにかく気持ちよくなってほしいんですよ」
「え~、何で?」
「なるみさんが気持ちよさそうにしていると、シンプルに興奮します。なるみさんはわかりやすいですからね」
「わ、わかりやすいですか……」
「声と動きと……あとはまぁ、水分量もですかね。私としてはなるみさんが何度もいける体質なので助かっています」
「うぅ……」
「私のものではまだいかせてあげられないので、今一番感じるところで気持ちよくなってほしいんですよ」
「……私が中でいけるようになったら、健斗さんももうちょっと気持ちよくなれますよね」
「そうですね。でも私としては現状のままでも大満足ですよ」
「そうなんですか?」
「……正直、においも味も全部好きですから」
「へ、変態……」
「もちろん自覚はしていますよ。でも、なるみさんも舌と指で延々といかされるの、好きでしょう?」
「うぅ、好き……」
「WIN-WINですね」
「健斗さんがするの、気持ちよすぎるんですよ……」
「なるみさんがわかりやすくてよかったですよ。たぶんなるみさんの体のことは私のほうがよくわかっているつもりなので、当面はベッドの上で不満を感じさせることはないと思いますけど」
「ベッドの上以外でも不満なんてひとつもないです……」
「ふふっ、それはよかったです」
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