第21話

文字数 2,361文字

いつものように体を重ねて、小休憩をしているとき。

「健斗さん」
「何ですか?」
「ちょっとだけ乱暴にされてみたいです」
「……何です?」
「健斗さんにちょっとだけ乱暴にされてみたいんです」
「うーん……」
「ふふふふふっ、何ですかその顔」
「いや、あなたを乱暴に抱くというのがイメージできなくて……傷でもつけたら大変じゃないでうすか」
「でも私、健斗さんの背中に引っかき傷とか作っちゃいましたよ?」
「私はいいんです。ご褒美みたいなものですから」
「健斗さん、SなんだかMなんだかわかりませんよね……」
「私の背中に傷ができたということは、あなたが爪を立ててしまうほどよかったということでしょう?」
「うぅ……」
「まぁ、それは置いておいて。あなたに傷はつけたくないんですよ。そもそも乱暴にってどういう風にされたいんです?」
「うーん……いつもより強く揉まれたりとか、つ、突かれたりとか……」
「でも痛いのは嫌でしょう?」
「理想はマッサージのときの痛気持ちいいくらいの感覚ですかね」
「ややこしいオーダーですね」
「でも……」
「何です?」
「健斗さんになら痛くされてもいいかも……」
「……煽りますね」
「そ、そもそもですね。女の人だったら好きな人にめちゃくちゃにされたいって思うものなんですよ」
「そうですか。私としては十分めちゃくちゃにしているつもりですが」
「それはそうなんですけど……」
「まぁ、とりあえずやってみましょうか。ただ、その前に力加減の確認をさせてください。……やはり痛くしたくはないですから。痛かったらちゃんと言ってくださいよ」
「はーい」

健斗さんがいつもよりは少し強めに私の胸に触れる。

「んっ……」
「痛いですか?」
「痛くないです……もっと強くしてほしい……」
「……これくらいですか?」
「んんっ、もうちょっと……」
「……では、これは?」
「あっ、これくらい……」

いつもよりも強めに揉まれて、先端をぎゅっと引っ張られる。
胸の形が変わっているのを見て、余計に興奮してしまう。
でも、健斗さんはなぜか眉間にしわを寄せていた。

「ふふふっ、健斗さん、眉間にしわ寄ってます。あんまり気が乗らないなら無理しなくてもいいですよ」
「違います。……いざやってみると思ったより私も興奮してしまって。うまく加減できるか不安になってきました」
「健斗さんが興奮して加減できなくなったら、それはそれで私が興奮します」
「どうしようもないですね……」
「早く続きしてくださいよ~」

胸に触れて、クリトリスに触れて、中に指を入れて、健斗さんのものを入れて……健斗さんが順番に力加減を確認していく。
真面目な顔で力加減を確かめる健斗さんを見ていると、仕事での確認作業みたいで思わず笑ってしまう。

「……だいたいわかりました。感覚はつかめたので、なるみさん、四つん這いに」
「えっ」
「ご満足いただけるよう、頑張りますので」

健斗さんがにやっと笑う。
自分でも今さらと思いつつも、恥じらいながら健斗さんの前で四つん這いになる。
すると、私の腰をつかんで健斗さんが自身のものをあてがった。
えっ、いきなり……と思っていると、健斗さんのものが一気に奥まで入ってきた。
中を無理やり押し広げられるようで、思わず声が漏れてしまう。
それが一気に抜かれると、また奥までぐっと突かれる。
いつもより激しくて、肌と肌のぶつかる音が響く。
乱暴に抜き差しされて、ぐぷっといつもと違う湿った音がする。
恥ずかしいのに、ゾクゾクしてしまう。
そのうち、快感の波がやってきてすぐにいってしまったけど、健斗さんはやめてくれない。
腕で体を支えきれなくなって枕に顔を押し付けながら、びくびくと快感に震える体で健斗さんのものを受け入れる。
何回目かの絶頂でようやく健斗さんが動きを止めた。
健斗さんのものが奥まで入ったまま、健斗さんの手が私の背中を這っていく。
その手が重力のままに垂れ下がっている胸を揉みしだきながら、先端をぎゅっと強く引っ張る。
もう片方の手ではクリトリスを指で圧し潰すように容赦ない刺激を与えてくる。

「あっ、あぁっ、いやぁ……」

健斗さんの体温を感じながら、自分の中が健斗さんのものをぎゅうぎゅうと締め付けていく。
体がびくっと跳ねて、またいってしまう。
乱れる呼吸の中で与え続けられる快感に耐えていると、健斗さんの手が離れていき、健斗さんのものも引き抜かれた。
体が横に倒れ、そのままの姿勢で少し呼吸を整えようとしていたら、健斗さんが私の体を強引に仰向けにした。
足をぐっと広げると健斗さんが自身のものをあてがい、また一気に奥まで貫いた。
喉の奥から悲鳴のような声が漏れて、体が弓なりになる。
しがみつくように枕を握って、抜き差しされる健斗さんのものをただただ感じる。
激しい動きが少し落ち着いてくると、今度は健斗さんが両手で胸を揉みしだき出した。
胸全体を寄せて持ち上げるようにしながら、先端を指先で引っ張りながらぐりぐりといじめる。
気持ちいいのと恥ずかしいのとで、思わず自分の手で顔を覆ってしまう。
片方の手がそのうちクリトリスのほうへと伸びて、また指先で強く弄ぶ。
クリトリスへの刺激で私がいってしまったのを確認すると、また激しく腰を打ち付けながらキスで唇を塞いだ。
声を出したいけど、それが許されない。
ぼうっとする頭で、健斗さんを強く抱きしめる。
今日一番の大きな快感の波にのまれると、ゆっくりと健斗さんの唇が離れた。
健斗さんも肩で息をしていて、漏れる吐息が色っぽい。

「……痛くなかったですか?」
「痛くなかったです。め、めちゃくちゃ気持ちよかったです……」
「ふふっ、そうですか」
「健斗さん、どうでした?疲れちゃいました?」
「……正直、私もめちゃくちゃ興奮しました」
「ふふふっ、変態」
「お互い様でしょう」
「こういうの、たまにしてください」
「ふふっ、いいですよ」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み