第52話 第18回全日本トライアスロン宮古島大会 (2002年4月21日)

文字数 832文字

★「加齢なるキャッガワー」

50歳での転職は最後の転職になった。
50歳の孤狼(ナルシスティックな表現だ)を雇い入れてくれた組織に何とか貢献しようと奮起した2001年、そのミッションは「営業改革」を目指すという大層なものになった、
この後小泉内閣も僕に倣い「聖域なき構造改革」をスローガンとして標榜し始める。
その改革の道筋が見えてきたところで、「宮古島」にエントリーした、
4年ぶり10回目の「宮古島」になった。

4年前の1988年はDNF(リタイア)だった、今回は何としてでも「ストロングマン」復活
を願っていた。1~3月 気合の入ったトレーニングを阻んだのは相変わらずの花粉症と加齢による体力低下だった。
疲れが取れにくくなった、腰痛が重症化してきた、と愚痴りながら、それでも仕事でのストレスがないことを感謝してもいた。
スピードはいらない、ゆっくりでいいから楽しみながらゴールする…という僕のレースプランは、しかしながらあっさりと破綻する。


直前に新調した2ピース・ウェットスーツは快調だったけど、スイムではぐっとペースを抑える、朝早くから28℃ 6mの風、宮古島は何も変わっていなかった。
ランにはいって少し陽が陰る、ペースをすこし上げて19時半ゴールに合わせたが22㎞で恐れていた熱中症で嘔吐する。

びっくりするほどの水を戻した、まったく水分を吸収していないことに愕然とする、
筋肉が動かないのも当たり前だった。走ったり、歩いたり、立ち止まったりの地獄、
6時間も地獄をさまよった。

13時間半近くでゴール地点に戻ると、トラック内にいる地元の方々の応援が猛烈に熱かった。100位~300位でゴールした時には決して経験したことのない熱烈歓迎だった。
最初のレースプランに近い時間・順位だったが、大きく違ったのはゴールの状態だった。
気持ちよくレースを楽しむ・・・・からほど遠いヘトヘトの状態だった。
他人から見ればどちらも同じなのだろうけど、「ナルシスト」には不満の残るレースになった。


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