人間街の路地裏で
文字数 1,044文字
おー、すげえ！ このバレッタ、蝶の形だ。こっちはうさぎ！
宝石だと、一流の職人でもこんな形は作れねーもんな。
ちょっと壊れやすいのが欠点だけど……プラスチックのアクセサリーってやっぱいいなー。
宝石だと、一流の職人でもこんな形は作れねーもんな。
ちょっと壊れやすいのが欠点だけど……プラスチックのアクセサリーってやっぱいいなー。
お嬢ちゃんにならこっちのシンプルなデザインのほうが似合うんじゃないかい？
あー、俺用は別の買うからいいや。今回は友達用。
でもそれもかわいいな！ 色違いで黄色があったら買ってく！ ティール用！
――この蝶はルードハーネ用として、エレミア用がうさぎだと、うさぎが被るか……？
でもそれもかわいいな！ 色違いで黄色があったら買ってく！ ティール用！
――この蝶はルードハーネ用として、エレミア用がうさぎだと、うさぎが被るか……？
――よし、決めた！ ここではティールのとルードハーネのだけ買って、エレミアのと俺のは他の店で買おうっと。
おじさん、これとこれくださーい！
おじさん、これとこれくださーい！
はーい、まいどありー。
さて、他の店は――お、あそこの店、看板がキラキラ光ってる！
あれ、光魔法じゃなくて、ネオンサインって言うんだよな？
ちょっと行ってみようっと！
あれ、光魔法じゃなくて、ネオンサインって言うんだよな？
ちょっと行ってみようっと！
クーは人間街の路地裏へと足を踏み入れた。
と、誰かに肩がぶつかる。
と、誰かに肩がぶつかる。
痛え！
おう、痛えって？ そりゃあこっちのセリフだぜ、お嬢ちゃん。
ハァ!? そっちからぶつかってきたんだろ！
口答えたぁいい度胸じゃねーか！ ああ!?
男がクーの胸ぐらを掴もうとしたその時。誰かが男の腕を捕まえた。
おい、やめろよ。子供相手に。
なんだよ。ヒーロー気取りか？
――チッ、シラケちまった。やめだやめ。帰るとすっか。
――チッ、シラケちまった。やめだやめ。帰るとすっか。
ガラの悪い男は、舌打ちをするとどこかへ去っていった。
何がシラケただよ。単にビビって逃げ出しただけのくせに……。
よくわかんねーけど、助かったぜオッサン。その、ありがとーございます……。
おう、気にすんなって。それにしても……見たところ、高校生か？
え、いや。俺、まだ中等学校の一年生で……。
マジかよ!? 最近の子供発育良すぎだろ……。下手したらうちの娘より年上に見えるぜ……。
ま、いずれにせよ、人間街の路地裏なんか、子供が一人でうろついてたら危ないぜ？
そーなのか!?
知らなかったのかよ……。
いいか？ これは魔界と人間界に限ったことじゃないんだけど……。
世の中には、自分と違う人間は下等だからどう扱ってもいいって思ってるヤツがいるんだよ。
人間街みたいな場所では、魔法使いをそういう目で見ているヤツが集まりやすい。
大通りなら魔法警察の目も届きやすいからともかく、こんな路地裏じゃあ一人で歩くのは危ないぜ。
いいか？ これは魔界と人間界に限ったことじゃないんだけど……。
世の中には、自分と違う人間は下等だからどう扱ってもいいって思ってるヤツがいるんだよ。
人間街みたいな場所では、魔法使いをそういう目で見ているヤツが集まりやすい。
大通りなら魔法警察の目も届きやすいからともかく、こんな路地裏じゃあ一人で歩くのは危ないぜ。
うーん、魔法使いも人間も、どっちがエライとかじゃねーと思うんだけどな。
アハハ。おじょーちゃんみたいな考え方のやつが、魔界にも人間界にももっと増えればいいんだけどな。
