お城に帰ろう
文字数 1,078文字
（ちょ、『兄様』って！ 正体隠すにあたって従姉妹が姉妹のフリするだけならわかるけど、なんで性別まで変わってんだよ!?）
（叔父様、静かに。みんなに聞こえますよ）
二人とも、迎えにきてくれたんだ！
まったく⋯⋯知らないやつに着いてくなって小さい頃から言ってるだろ？
着いてってないよ！
無理やり拐われたんだってば！
それにしても⋯⋯犯人はハルカ先生なんか誘拐して何がしたかったんだ？
「なんか」ってひどいなぁ。
わわ！ そーいうつもりじゃなくて！
でも確かに、普通の先生を誘拐してもね⋯⋯。
まさか理科の授業をしてもらうつもりだったわけじゃないだろうし。
身代金とか？
でも王都なら他にもお金持ちはいっぱいいるわよね。
⋯⋯やっぱりアレじゃないかしら？
アレってなぁに？
ぎくっ⋯⋯！
（どういうことだ？）
（まさか、バレたのか⁉）
ハルカ先生を誘拐した理由⋯⋯それは⋯⋯。
それは⋯⋯⁉
えっちなこと！！
がくっ。
あはは⋯⋯まあ、そう⋯⋯かなぁ？
（ルードハーネちゃんってたまに天然だよね⋯⋯）
だって、ハルカ先生ってほら、よく言う「合法ロリ」ってやつでしょ？
ルードハーネはお嬢様なのにドコでそーいうの覚えて来んだよ？
というか、ハルカ先生が合法でも誘拐してる時点で違法だってば。
う、うーん……でも他に理由も思い当たらないし……。
さあ、全員保護者も来たことだし。動機の究明は我々警察に任せて、早く帰った帰った。
警察署なんていつまでもいるところじゃないぞ。
警察署なんていつまでもいるところじゃないぞ。
そーね。私、こういうオカタイ空気って息がつまって苦手。
俺もー。お許しが出たんなら早くホテルで休みてー。
うむ。それではホテルに戻るとしようかのう。
あ、御海さんのお父さんはちょっとだけ残ってください。
俺か？ まあいいけど。
それでは、お先に失礼いたしますわ。
オジサン、また今度機会があったら効率の良い練習方法とか教えてね。
おうよ！ またな！
魔法警視庁を出ると、既に日は完全に落ち、天気も悪いため一面の闇が空に広がっていた。
あらあら。真っ暗ねえ。月も星も見えなくて残念。
王都ではどのみち町明かりで星はよく見えまい。
それじゃあ、僕とハルカはこっち方向だから、お先に失礼するよ。
えー!? みんなで送ってかなくて大丈夫かよ？
犯人は捕まったけど、まだ仲間とかいたら……心配だよね。
大丈夫だよ。僕がついてるからね。
正直、心配は心配だけれど……。クラウドさんがそう言うなら……。
なんならわしもハルカ様の方にお供しようかの？
それは……余計に心配かも……。
エレミアがひどい。
まあまあ、みんな。私は大丈夫だから。
あんまり遅くなるとみんなも疲れちゃうし、今日は帰りなよ。
あんまり遅くなるとみんなも疲れちゃうし、今日は帰りなよ。
はーい。
