花火大会！
文字数 1,036文字
おー、すげーなこれ！ めっちゃ火花出る！
でもこれに追いかけられたらだいぶ怖いね……。火傷しそう……。
ああ、うん。ラビィさんは災難だったね……。
こっちの線香花火？ ってやつは、確かに綺麗だけど他のに比べると地味だわ。
風情があっていいじゃないの。
まあ、これぐらいならなんとか追いかけられても怖くないわね！
あの⋯⋯花火は基本的に追いかけてくるものじゃないんだけど……。
あっ、もう終わっちまった……。
魔法なら魔力が続けばずっと燃やせるけど、魔法なしだとやっぱりいつかは燃え尽きちゃうわよね……。
花火がいつまでも燃え続けてたら、パパ、まだ追いかけられてるよ!?
そしたらエレミアは生まれてないわね……。
それはヤだなぁ……。
さて、全部終わったみたいだし、そろそろ後片付けして帰ろうか。
中等学校生が夜更かしは感心しないからね。
中等学校生が夜更かしは感心しないからね。
もうちょっと遊びたかったけど……。
花火ももうねーし、こんな暗くなってから泳ぐわけにもいかねーしな。
しょうがねーか。
花火ももうねーし、こんな暗くなってから泳ぐわけにもいかねーしな。
しょうがねーか。
じゃあ花火のゴミをこっちのバケツに集めて――。
むにゅ。バケツを拾い上げようとしたクラウディアが、何かを踏んづけた。
次の瞬間。クラウディアが踏みつけた『何か』は急に伸び上がり、クラウディアを包み込むように飛びかかった。
な!? これは――スライム!?
昼間のより随分大きいけど……！
お父さんかお母さん、かなぁ……？
言ってる場合かよ!?
くっ、フレイムピラ――もがっ!?
（しまった、口の中にスライムが！ これじゃあ呪文が唱えられない！）
（しまった、口の中にスライムが！ これじゃあ呪文が唱えられない！）
クラウドさん！ 待ってて、今助け――！
バカ！ ルードハーネやめとけって！
あんなのに私たちが突っ込んだって返り討ちにされるだけよ！
そんな……！ でもこのままじゃクラウドさんが！
ハルカ先生！ なんとかならないんですか!?
ええっ……！ どうしようどうしようどうしよう……。
（花火はもうないし、バーベキューの炭も使い切っちゃったし、炎魔法だって私たちじゃあ五人で束になってもクラウディア姉様以上の威力は出せないし――。
でもクラウディア姉様を助けないと……！）
でもクラウディア姉様を助けないと……！）
（そうだ、クラウディア姉様『頭が回るのはいいけど、考えすぎで動けなくなるのはハルカの悪い癖』って言ってたよね……。
テンパってないでとにかく動かないと……！）
テンパってないでとにかく動かないと……！）
花火も無理、炭も無理、魔法も無理。だから炎で攻撃はできない。
炎以外でスライムの弱点と言えば――！ 使えるものがまだあったはず！
炎以外でスライムの弱点と言えば――！ 使えるものがまだあったはず！
ハルカ先生はスライムの脇を通り抜け、バーベキューセットの置いてあるあたりに向かって走った。
