「電車」の仕組み
文字数 1,087文字
翌日の一限。「理科」の授業。
はい！ じゃあ今日は、クーちゃんのリクエストで「電車」について勉強するよ。
「デンシャ」って何かしら？
「電車」は人間界の乗り物で、雷の力――「電気」を使って動くの！
雷で動く……？
うーん、同じ天気でも、風で飛ばされて動くとか雨で流されて動くとかならイメージできるけど、雷で動くってどういうこと？
人間界には、雷の力を他の力に帰る道具がたくさんあるんだよ。
今日はいくつか持ってきたんだ。まずはこれ、電球！
今日はいくつか持ってきたんだ。まずはこれ、電球！
ガラス玉の中に黒いぐるぐるした何かが入ってるみたいだけど……これは何ですか？
うん、これに雷を通すと――雷は魔法で起こしてもいいけど、今回は人間界で使われてる雷の力を溜めておく道具、「電池」を使うね――ほら、光った！
まぁ、綺麗！
最近はＬＥＤっていう、もっと明るくなる道具も発明されたんだよー。
次は……電熱線かな。これを電池に繋ぐと……！
次は……電熱線かな。これを電池に繋ぐと……！
えーと、今度もオレンジ色に光ったけど……さっきの電球よりなんか地味ね。
ティールちゃん、ちょっと手を近づけてみて。
あ、直接触っちゃだめだよ。危ないからね。
あ、直接触っちゃだめだよ。危ないからね。
何これ！ ほんのり暖かいわ！
そうそう！ 電熱線は雷の力を熱の力に変える道具なの！
そして最後にモーター！
そして最後にモーター！
うーん、箱の横から棒が出てるだけじゃねーか。先生、電車は？
まあ、見てて見てて。
今回は変化が見やすいように、この棒に羽根をつけます。
そしてモーターに電池を繋ぐと……！
そしてモーターに電池を繋ぐと……！
回りましたわ!?
お゛、な゛ん゛だごれ゛面゛白゛え゛！
!? 顔に近づけて話すと変な声になった！ なんだこれ！
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ー!!
……人間界では夏の風物詩だね。
えーと、とにかく、モーターは雷の力を回る力に変えられるの！
回る力？ それが電車に関係あるの？
回る力を乗り物に使っても、同じところをぐるぐる回っちゃうだけなんじゃないの？
回る力を乗り物に使っても、同じところをぐるぐる回っちゃうだけなんじゃないの？
乗り物全体を回すんじゃなくて、馬車みたいに車輪をつけて、車輪を回すんじゃないかな。
――車輪！ そういえば……！
？ ルードハーネちゃん、どうしたの？
先生。もしかしてその電車という乗り物は、前後に長くて、正面に目のような模様がついていますか？
うん、だいたい細長い形をしているし、目のような模様っていうのは多分ヘッドライトだね。
夜に運転するときに前が見えないと大変だけど、人間の運転手さんは光魔法が使えないから、さっき見せた電球が二個前についてるんだよ。
――あれ、ルードハーネちゃん、なんでそんなこと知ってるの？
夜に運転するときに前が見えないと大変だけど、人間の運転手さんは光魔法が使えないから、さっき見せた電球が二個前についてるんだよ。
――あれ、ルードハーネちゃん、なんでそんなこと知ってるの？
……そういうことだったのですね。
ルードハーネ？ どうしたの？
クー！ ごめんなさい。わたくし、誤解していました！
