ニンジンも食べよう！
文字数 1,137文字
背なんてそのうち伸びるかもしれないし、そこまで気にするコトないんじゃないの？
私達まだまだ中等学校入ったばかりよ！
うん……でも親子って似るっていうから。
私のパパってほら、フェアリーだし……。
確かにフェアリーは小さいものね……。
エレミアの今の身長は中等学校一年生としてはそんなにおかしくないけれど、もしこのまま成長が止まっちゃったら――。
エレミアの今の身長は中等学校一年生としてはそんなにおかしくないけれど、もしこのまま成長が止まっちゃったら――。
もう、そうならないように今から背が伸びる食べ物たくさん食べてるんだから、やめてよ！
それで何とかなるモンなのか？
うーん、なんとかなるかはわからないけど、多分エレミアちゃんの背が低いのとお父さんは関係ないと思うよ。
メンデルの法則では遺伝子の片方だけが発現して、中間になることはないんだけど、エレミアちゃんの身長はフェアリーにしてはもう高すぎるし――。
ちょっと、だから食事の前はメンデルとか遺伝子とか、そういう難しい話はやめてったら！
アハハ、ごめんごめん！ じゃあここのところは次回の小テストの範囲に――。
もっとやめて！
くすくす。
そっか、じゃあ私もこれから背、伸びるかな。
そっか、じゃあ私もこれから背、伸びるかな。
うふふ、エレミアの背が伸びないのは、お父さんに似たからではなくて、ニンジンが嫌いだからじゃないかしら？
あー！ そう言やエレミア、前「中等学校に上がったら食べるようにするから」って言っときながら、未だに給食のニンジン俺に押しつけてくるよな！
いい機会だわ！ 私のお弁当にニンジンと五芒星ゴボウのきんぴらが入ってるから、エレミア、食べなさい！
あらあら、じゃあ私のニンジンのグラッセもいかがかしら。
このミックスベジタブルってやつ、小さく切ったニンジンも入ってるんだぜ？
え、え、えええええ!?
（他で栄養摂れてるから、ニンジンはあまり関係ない気がするし、さすがに三人分は多い気がするけど……
好き嫌いは治すにこしたことはない……のかなあ？）
数十分後。
ううう……当分ニンジンは見たくない……。デザートのチョコバナナヘビで口直しだよー。
ニンジンはダメでヘビは食べられるアンタの感性がわかんないわ。
まあまあ。
ところで、みんなの分もカップケーキを作ってきたの。よろしければ召し上がらない？
あ、じゃあ私は魔茶味のにしようかな。
――ふう、口の中がすっかりニンジン味であまにがかったから、助かるよー。
――ふう、口の中がすっかりニンジン味であまにがかったから、助かるよー。
……そ、そう。それは良かったわ。
（魔茶もあまにがいんじゃないかしら……？）
（魔茶もあまにがいんじゃないかしら……？）
あ、先生の分もありますよ。どうぞ。
私ももらっていいの？ やったー！
じゃあ私はこのピンクのやつにするね！
じゃあ私はこのピンクのやつにするね！
野いちご味ですわね。はい、どうぞ。
私はこれを――いただきまーす！
あ、ティール！ それはバナナヘビ味ですわよ！
うぇっ!? ちょっと、なんでそんなの持ってきてんのよ！
クーにと思ったので……って、あれ？
そういえば、クーがいませんわ！
