進路指導スタート！
文字数 1,045文字
一応言い訳させてもらうと、この問題、最初はカッコの一だけだったんだけど、問題数が少なくなっちゃったから、あとでカッコの二を足したの。
そうしたらその時に静止まさつ係数を書き忘れちゃって……。
なんだ……全然解けないと思ったら先生の出題ミスだったのね。
わたくしの勉強不足じゃなくてよかったわ。
今回のテスト、「理科」は自信があったから……。
出題ミスがあった問題は、全員正解扱いにしてあるから安心して。
やったぁ、ラッキー！
（間違えて動まさつ係数で計算してた上に、その計算にもミスがあったティールちゃんは本当に「ラッキー」だよ……）
それにしても、「理科」の問題って、一つわからないことがあるだけで答えが出なくなるんですね。
「占術」の「占星術」とかでも、
そもそも相手の生年月日がわからねーと占えねぇけど、
やっぱそーいうところは「理科」でも一緒なんだなー。
「魔法」と同じで「理科」も万能じゃないからね⋯⋯。
むしろ「魔法」なしでどうやってわからないことをわかるようにしていくかが、
「理科」の面白いところでもあるんだけどね。
わからないところをわかるようにする？
うーん、なんて言ったらいいんだろう⋯⋯？
ハルカ先生。お話の途中ですけれど、
そろそろ答え合わせに戻らないと、
この時間中に終わりませんわ。
ああっ、そうだった！ ごめんごめん！
ええと、それじゃあ出題ミスがなかった問題を問一から！
授業は滞りなく終わり、六限目も何事もなく過ぎていった。
そして帰りのホームルーム。
はい、それじゃあみんな。今日の放課後から進路指導が始まるけど……。
進路調査票は書いてきてくれたかな？
もちろん！
んー、まあ、なんとか。
こういう宿題はちょっと……難しかったですわ……。
（どうしよう……みんな大変なりに何か書いてるみたいだけど……私だけ白紙だよぅ）
（なんだかいつもと反応が逆だなぁ）
うーん、じゃあ、ティールちゃん、クーちゃん、ルードハーネちゃん、エレミアちゃんの順で面談でいいかな？
今回は一人あたり五分から十分程度にしようと思ってるけど⋯⋯。
わかったわ！
（どうしよう⋯⋯とりあえず他のみんなが終わるまでに進路調査表をうめないと⋯⋯）
エレミア？ どうしたんだ、なんか浮かねー顔してるけど……。
ううん、なんでもないよ。ごめん、初めての進路指導だから、なんだか緊張しちゃって。
（こればっかりは他の人には相談できないしなぁ……）
じゃあ、みんな他の子にはあまり聞かれたくないだろうし、面談は理科準備室でするね。
自分の順番になったらちゃんと来てねー！
