夕方の公園で
文字数 1,133文字
あー、やっぱりパーチェさんってすごいのね！
実体を持った光の精霊をあんなにたくさん召喚できるなんて……！
もう会場中がキラキラだったわ！
実体を持った光の精霊をあんなにたくさん召喚できるなんて……！
もう会場中がキラキラだったわ！
って、関心してる場合じゃないわよね。
魔界中の召喚舞踊をやってるコがみんな、あの領域を目指してがんばってる……！
私がこうしてる間も……！
魔界中の召喚舞踊をやってるコがみんな、あの領域を目指してがんばってる……！
私がこうしてる間も……！
ティールが歩いていく先に、王立公園の門が見えた。
へえ……！ 王立公園って大きいのね！
なんだって公園なんてオコチャマの遊び場をわざわざ王家が作るのかナゾだったけど、これなら納得！
なんだって公園なんてオコチャマの遊び場をわざわざ王家が作るのかナゾだったけど、これなら納得！
遊具として設置された平均台がティールの目にとまる。
――よし！ 平衡感覚の訓練だけでもしとこうかしら！
一、二、三、四。ターンを二回っ！
二、二、三、四。ターンでジャンプっ――あっ。
二、二、三、四。ターンでジャンプっ――あっ。
着地に失敗しバランスを崩したティールが、あわや地面に叩きつけられるかと思ったその時。
キーッという金属がこすれる音がして、ティールの背中を誰かが受け止めていた。
キーッという金属がこすれる音がして、ティールの背中を誰かが受け止めていた。
――っぶねーな！ 平均台は誰かが見てるところでしかやったらいけないって教わらなかったのかよ！
ちょっ、何よオッサン！ いきなり出てきて偉そうに！
あのなあ……そっちこそ、それが危ないところを助けてもらった相手に対する態度かよ。
えっ!? あっ、あー……。そっか、オジサンが受け止めてくれたのね……。
全然気付かなかったわ。ごめんなさい。
全然気付かなかったわ。ごめんなさい。
あのなあ……。
ところで、そこで横倒しになってるのって、確か自転車よね？
人間がホウキの代わりに使ってる乗り物って、理科の先生が言ってたわ。
そんなのに乗ってるってことは、オジサンって人間？
人間がホウキの代わりに使ってる乗り物って、理科の先生が言ってたわ。
そんなのに乗ってるってことは、オジサンって人間？
あー、まあな。最近ちっとは交流が盛んになってきたとはいえ、まだこっちじゃ人間は珍しいか？
王都じゃそうでもないのかもしれないけど、あいにく、私は観光で来てるのよね。
観光に来てわざわざ平均台……？
何か悪い？ 私はオリンピックの開会式でアポロン召喚の舞を踊るって目標があるんだから。
練習の時間は無駄にしたくないのっ！
練習の時間は無駄にしたくないのっ！
へえ、なんだオリンピック目指してんのか！
（俺もそんな時代があったな。次は監督としてまた行きたいもんだ）
――そうだ。一人でバランス感覚の訓練するなら、平均台よりいいものがあるぜ。
（俺もそんな時代があったな。次は監督としてまた行きたいもんだ）
――そうだ。一人でバランス感覚の訓練するなら、平均台よりいいものがあるぜ。
へえ、そんなのがあるの？
ちょっと待ってろよ。さっきまで自転車のかごに入れてたんだけど――。
どっかに転がっちまったか？
――あった！ ほら、これだよこれ！
どっかに転がっちまったか？
――あった！ ほら、これだよこれ！
――えっ。その白黒のボールって、サッカーとかいう人間のスポーツで使うボールよね？
なんだ、サッカー知ってんのかよ！ それなら話が早いぜ！
サッカーって一人でやるどころか、十一人ずつの二チームで遊ぶスポーツでしょ？
まあな。サッカー自体じゃなくて、サッカーの練習でボールの感覚とバランスを養うためのやつがあるんだ。
リフティングって言うんだけどな――。
リフティングって言うんだけどな――。
