第4話

文字数 662文字


 ―― 窓の外は夕焼け色に染まる。
教室の時計を見やれば16時を指そうと言う時分だ。
作業効率も悪くない。弓絵は切りの良い所で手を止め、一同を見やる。

「今日は この辺で終わりに、」

 そう言いかけた所で、大気が震える。


ズン!!


!?

 地震か、一瞬ばかりだが縦に大きく揺れ、弓絵は腰を抜かす。
そして、次には暗転。校内は真っ暗闇に包まれる。

(ぇ? ……何?)

 忽然と夜へと切り替わったとでも言うのか、
物の輪郭が掴めない程の闇に、弓絵は身を縮める。

「み、皆、何処っ? 私、何も見えなぃ、」

 呼びかけるも、返答は得られない。

「無視しないで、、ょ、義也、彗君っ……
登美チャン、亜希子チャン、理恵チャン、俊典君、
……ねぇっ、ぃ、いるんでしょ!?

 さっきまで皆、同じ場所にいた筈だが、この一瞬に何処へ行ってしまったのか、その代わりに、廊下の端から幾つもの けたたましい足音が近づいて来る。


バタバタバタバタバタバタバタ!!
バタバタバタバタバタバタバタ!!
バタバタバタバタバタバタバタ!!


(な、何!?

 次には、哄笑と絶叫。


バタバタバタバタバタバタバタ!!
ギャハハハハハハハハハハハ!!

「ウワァアァアァアァアァアァ!!

バタバタバタバタバタバタバタ!!
アハハハハハハハハハハハハ!!

「ギィヤァアァアァアァアァア!!

 見えない周囲で何が起っているのか、弓絵は耳を塞ぐと臍を隠す様に蹲り悲鳴を上げる。

「いやぁあぁ!! やめて!やめて!やめてぇえぇえぇえぇ!!

 恐怖に任せて叫び続けると、冷えた手が弓絵の肩を掴む。


  ガッ、


「ひッ、、ぃいッ、、」

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