第21話

文字数 285文字

『バシッ』
 ストレートは軽々と捕る。
「次、振ってくれ」
「え? 何が降るんですか?」
「いや、君じゃなくて」
「はぁ」
(大丈夫かよ)
 中村の心配を他所に、目の前でバットを振られても余裕のキャッチングを見せる。
「スライダー」
「お、おおお」
 これも最初の一球以外は難なく捕球する。
「昼休みより曲がるな」
 颯来も案外楽しんでいる。
「本気で投げてるか?」
「後ろから見てどうですか?」
 望未にそう言われると球は走っている。

 キャッチングを見てしばらく考えていた中村。
「ちょっと打ってみてくれる?」
 一年生の控え投手が望未の代わりにマウンドに上がる。
「打つ方は得意だ」
 颯来は自信満々だ。
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