第17話 野球部
文字数 505文字
颯来は不機嫌だ。予定としては全国大会への切符を手にして、余裕で遥を連れて望未の応援に向かうはずであった。
「惜しかったね、颯来。来年はいけるよ、応援するから」
愉香の励ましが余計に悔しい。
「来年まで待てない!」
子供みたいにいじけて机に伏せる。
「もう……」
愉香は他の言葉を探すがどうにも見つからないで黙る。放っておかれるのはもっと寂しい颯来。
「……望未の……試合……行く?」
チラッと腕の間から顔を覗かせて呟く。
「それなんだけど……遥が今日休んでるのは……」
***
愉香は勿論のこと、颯来と望未のおかげもあって学校へ行くのを前向きに感じ始めた遥。外に出ても点ほどしか見えていなかった以前より視界がぼやけない。
(よし、私も頑張らなきゃ)
遥は愉香が職員室に呼ばれている間、一人でトイレに向かう。トイレを済まし、廊下に出ると嫌な感じが遥を襲う。
早くその場を立ち去ろうと歩を進めようとした時だった。
「いや!」
思わず大声を出してしゃがみ込む。
誰かが、複数かもしれない者たちが、遥の胸と、スカートの中の太ももに触れたのだった。いや触れたどころではない、むしろその柔らかさを確かめるようにまさぐったのだった。
***
「惜しかったね、颯来。来年はいけるよ、応援するから」
愉香の励ましが余計に悔しい。
「来年まで待てない!」
子供みたいにいじけて机に伏せる。
「もう……」
愉香は他の言葉を探すがどうにも見つからないで黙る。放っておかれるのはもっと寂しい颯来。
「……望未の……試合……行く?」
チラッと腕の間から顔を覗かせて呟く。
「それなんだけど……遥が今日休んでるのは……」
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愉香は勿論のこと、颯来と望未のおかげもあって学校へ行くのを前向きに感じ始めた遥。外に出ても点ほどしか見えていなかった以前より視界がぼやけない。
(よし、私も頑張らなきゃ)
遥は愉香が職員室に呼ばれている間、一人でトイレに向かう。トイレを済まし、廊下に出ると嫌な感じが遥を襲う。
早くその場を立ち去ろうと歩を進めようとした時だった。
「いや!」
思わず大声を出してしゃがみ込む。
誰かが、複数かもしれない者たちが、遥の胸と、スカートの中の太ももに触れたのだった。いや触れたどころではない、むしろその柔らかさを確かめるようにまさぐったのだった。
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