第23話 隠し事
文字数 641文字
「じいちゃーん!いるの?」
美咲は防犯カメラを見上げ両手を振り大きな声で呼んだ。
「ああ、ここにいるよ」
鶴さんはロックを解除し扉が開き出てきた。
「なんだ、涼一もいるのか」
親父も部屋から出てきて言った。
「親父もいたのか」
僕は親父がいたことにあまり驚かなかった。おそらく次の計画でも練っていたのだろう。どこにでもいそうな親父が殺し屋なんてこの世の中はいったいどうなっている。
「じいちゃん、涼一が何も教えてくれなくて何か隠しているみたいなの。何か言ってやってよ」
自分だって鶴さんがおじいちゃんってこと隠していたくせにと言いかけた。
「お父様も」
美咲がいつもの可愛らしさを前面に醸し出してきた。この笑顔で男たちは翻弄される。
「涼一、隠し事は良くないな」
鶴さんのあまりにとぼけた口調によくそんなことが言えるなと少しイラっとした。
「何をしに来たんだい?」
親父が少し不思議そうに聞いてきた。
「いや、なぜか来なければいけない気がしてさぁ」
直斗君の言葉。そう、僕はただみんなの身に危険が迫っていることを告げたかったのかもしれない。そして、次の計画について何か知っておきたい気もしていた。
僕自身も。
その時、ふと、美咲は鶴さんの裏稼業を知っているのか急に気になりだした。
「美咲は鶴さんのことすべてを知っているのかい?」
どうしても聞かずにはいられなかったのでつい口から言葉がこぼれた。
「昔、ヤクザだったって事?」
「それ以外に」
鶴さんと親父の顔から笑顔が消えたことを僕は見逃さなかった。
美咲は防犯カメラを見上げ両手を振り大きな声で呼んだ。
「ああ、ここにいるよ」
鶴さんはロックを解除し扉が開き出てきた。
「なんだ、涼一もいるのか」
親父も部屋から出てきて言った。
「親父もいたのか」
僕は親父がいたことにあまり驚かなかった。おそらく次の計画でも練っていたのだろう。どこにでもいそうな親父が殺し屋なんてこの世の中はいったいどうなっている。
「じいちゃん、涼一が何も教えてくれなくて何か隠しているみたいなの。何か言ってやってよ」
自分だって鶴さんがおじいちゃんってこと隠していたくせにと言いかけた。
「お父様も」
美咲がいつもの可愛らしさを前面に醸し出してきた。この笑顔で男たちは翻弄される。
「涼一、隠し事は良くないな」
鶴さんのあまりにとぼけた口調によくそんなことが言えるなと少しイラっとした。
「何をしに来たんだい?」
親父が少し不思議そうに聞いてきた。
「いや、なぜか来なければいけない気がしてさぁ」
直斗君の言葉。そう、僕はただみんなの身に危険が迫っていることを告げたかったのかもしれない。そして、次の計画について何か知っておきたい気もしていた。
僕自身も。
その時、ふと、美咲は鶴さんの裏稼業を知っているのか急に気になりだした。
「美咲は鶴さんのことすべてを知っているのかい?」
どうしても聞かずにはいられなかったのでつい口から言葉がこぼれた。
「昔、ヤクザだったって事?」
「それ以外に」
鶴さんと親父の顔から笑顔が消えたことを僕は見逃さなかった。