第19話 母と
文字数 474文字
僕はやっとのことで家にたどり着いた。
数十メートルの距離を果てしなく彷徨っていたようだ。
「だだいま。あれ?親父は?」
「出て行ったわよ。浩一と飲みに行くと言って」
母さんが僕に答えた。
「珍しい。でも、それってマズくないの?殺し屋と警察官が同じテーブルで楽しく酒を酌み交わすのって」
僕の面白くもない冗談もこれが精一杯だ。
「浩一は父さんのことは何も知らない......と思うけど」
「あいまいだな」
僕は溜息まじりに答えた。
「それで涼一は父さんとちゃんと話したの?」
「色々とね。僕は今まで通り関わらない事にした」
「出来るの?」
「やってみる」
「血が騒いでくるわよ」
母さんは小悪魔的な笑顔を作り僕の肩をつついた。
「殺し屋の?まさか」
そんな職業があってたまるか。
しかし、母さんは何があっても全く動じないのが不思議だ。母さんの事だから、きっとまだ何か隠しているに違いない。
「父さんが気になっているんじゃない?常に命が危ういから。涼一も気をつけないといけないわよ」
「そうだね」
「念の為に銃はいる?」
「いらね」
「予備ならたくさんあるのに」
「あったらダメだろ」
数十メートルの距離を果てしなく彷徨っていたようだ。
「だだいま。あれ?親父は?」
「出て行ったわよ。浩一と飲みに行くと言って」
母さんが僕に答えた。
「珍しい。でも、それってマズくないの?殺し屋と警察官が同じテーブルで楽しく酒を酌み交わすのって」
僕の面白くもない冗談もこれが精一杯だ。
「浩一は父さんのことは何も知らない......と思うけど」
「あいまいだな」
僕は溜息まじりに答えた。
「それで涼一は父さんとちゃんと話したの?」
「色々とね。僕は今まで通り関わらない事にした」
「出来るの?」
「やってみる」
「血が騒いでくるわよ」
母さんは小悪魔的な笑顔を作り僕の肩をつついた。
「殺し屋の?まさか」
そんな職業があってたまるか。
しかし、母さんは何があっても全く動じないのが不思議だ。母さんの事だから、きっとまだ何か隠しているに違いない。
「父さんが気になっているんじゃない?常に命が危ういから。涼一も気をつけないといけないわよ」
「そうだね」
「念の為に銃はいる?」
「いらね」
「予備ならたくさんあるのに」
「あったらダメだろ」