第35話 どうする?
文字数 964文字
「坂口だ。ドアを開けてくれ」
防犯カメラをにらみつけ坂口が組長と共に本田組の事務所に来た。
航と龍は組事務所の建物の角の死角となる場所で待機している。
鶴は通りの向こう側で車を駐車し事の成り行きを見守っている。
<ガチャ>
鉄板のドアが開くと髭を生やした大男が突っ立っていた。
その大男のあまりにも太い両腕には羅針盤のような絵が彫ってあった。
無言で大男が二人をボディーチェックをしだす瞬間に組長と坂口が彼の腕を振り切り走り出す。
すかさず航と龍も中へ入り後をつけて全速で走る。
待てと言ったはいいが大男はナイフで刺されたようで倒れこんだまま動かなくなった。
「襲撃だ!」
誰かが大きな声で叫んでいる。
坂口たちは階段を一気に駆け上がる。
組事務所は二階の奥の部屋だ。
階段の上から銃で撃ってきた奴を坂口がショットガンで始末する。
二階にたどり着くと奥の扉から数人が出てきたが山本組長も銃で応戦。
龍が手榴弾を投げ、航が壊れたドアを蹴破り中へ入った。
「おやおや、話し合いじゃないのか?」
煙に包まれた奥から声がした。
本田組の組長が大きいテーブルに足を乗せ深々と椅子に座り銃を構えていた。
その横で足立と小島が仁王立ちをしている。
その他の男が三人いて、航たちにハンドガンを向け狙いを定めている。
航、龍、山本組長、坂口も銃を構え、にらみ合いが続く。
「足立を差し出してもらおう」
山本組長が言った。
「なぜだ?」
「うちのシマでフェンタニルをさばいている」
「それがどうした。山本よ」
「シマを荒らされて黙っておくことはできねぇな。元々、俺は薬は嫌いなんだよ。あんたらが目障りだ」
「お前はあほか。あそこは俺のシマや。新米が何を言ってやがる」
相手にしていられないという態度で銃を見つめている。
「久しぶりだな小島。あの時のようにお前に勝ち目はない」
航がけしかけた。
「うるせえ。借りは返すぜ」
小島が答えた。
「人数を見ろよ。若造さん」
本田組組長が机から足を下ろしゆっくりと立ち上がった。
向こうは六人。こちらは四人。
「相打ちだな」
龍が言った。
「さあ、どうする?」
本田組組長が言った。
長い沈黙が続く。生死をかけた駆け引きだ。
本田組組長の後ろの壁にかかっている時計を見た航は龍に目くばせをした。
坂口も頷き山本組長を見た。
「時間だ」
防犯カメラをにらみつけ坂口が組長と共に本田組の事務所に来た。
航と龍は組事務所の建物の角の死角となる場所で待機している。
鶴は通りの向こう側で車を駐車し事の成り行きを見守っている。
<ガチャ>
鉄板のドアが開くと髭を生やした大男が突っ立っていた。
その大男のあまりにも太い両腕には羅針盤のような絵が彫ってあった。
無言で大男が二人をボディーチェックをしだす瞬間に組長と坂口が彼の腕を振り切り走り出す。
すかさず航と龍も中へ入り後をつけて全速で走る。
待てと言ったはいいが大男はナイフで刺されたようで倒れこんだまま動かなくなった。
「襲撃だ!」
誰かが大きな声で叫んでいる。
坂口たちは階段を一気に駆け上がる。
組事務所は二階の奥の部屋だ。
階段の上から銃で撃ってきた奴を坂口がショットガンで始末する。
二階にたどり着くと奥の扉から数人が出てきたが山本組長も銃で応戦。
龍が手榴弾を投げ、航が壊れたドアを蹴破り中へ入った。
「おやおや、話し合いじゃないのか?」
煙に包まれた奥から声がした。
本田組の組長が大きいテーブルに足を乗せ深々と椅子に座り銃を構えていた。
その横で足立と小島が仁王立ちをしている。
その他の男が三人いて、航たちにハンドガンを向け狙いを定めている。
航、龍、山本組長、坂口も銃を構え、にらみ合いが続く。
「足立を差し出してもらおう」
山本組長が言った。
「なぜだ?」
「うちのシマでフェンタニルをさばいている」
「それがどうした。山本よ」
「シマを荒らされて黙っておくことはできねぇな。元々、俺は薬は嫌いなんだよ。あんたらが目障りだ」
「お前はあほか。あそこは俺のシマや。新米が何を言ってやがる」
相手にしていられないという態度で銃を見つめている。
「久しぶりだな小島。あの時のようにお前に勝ち目はない」
航がけしかけた。
「うるせえ。借りは返すぜ」
小島が答えた。
「人数を見ろよ。若造さん」
本田組組長が机から足を下ろしゆっくりと立ち上がった。
向こうは六人。こちらは四人。
「相打ちだな」
龍が言った。
「さあ、どうする?」
本田組組長が言った。
長い沈黙が続く。生死をかけた駆け引きだ。
本田組組長の後ろの壁にかかっている時計を見た航は龍に目くばせをした。
坂口も頷き山本組長を見た。
「時間だ」