第２２話　計画は単純

　あのコンビニエンスストアの店内防犯カメラをハッキング。
　コンビニエンスストアのオーナー、香川充と足立進が薬の取引しているコンビニ内の映像を挿入。この証拠映像を計画実行後、警察に見つけさせる。
　慣れた手つきで鶴がキーボードを叩く。鶴の作戦指令室にはいつも三人いた。龍がいないこの部屋はやはりなぜか物足りなくて冷たい空気を感じる。
　
　今回の計画はいたって単純だ。

「あとは航が足立を殺るだけだ。狙うのはコンビニ内で客がいない時だな」
　鶴は映像を確認しながら言った。
「近くの防犯カメラはその時間だけいつも通り電源を切っといてほしい」
「ああ。わかってるって」
　航が慣れた手つきでグロック19を分解し組み立てながら頭の中を整理した。
　鶴にあらかじめ山本組長には話を通しておいたもらった。警察の力もいる。念には念が必要だ。
「航、おそらく相手は数人いるぞ」
「そうだな」
「誰か使うか？古橋が最適人だが今、古橋は違う仕事を与えているしな」
「ナイフの古橋か」
「そうだ。里田はどうだ。奴は腕がいい。それかブラック。日本にいるらしいぞ。リペアを追ってきているらしい」
「ブラック？あのSID御用達の？それは頼もしいが今回は俺だけで十分だ。誰もいらない」

　この計画が上手くいったとしても裏で操る大物を捕まえることが出来るのか疑問が残る。

　航は自分の仕事をするだけだと自分に言い聞かせる。

　＜ピーンポーン＞

　ベルが鳴った。
　誰か来たようだ。
　鶴が映像を見ると涼一と美咲だった。

「おいおい、厄介なことが起こりそうだ」
　鶴が呟いた。