第5話 足立進
文字数 766文字
南の道頓堀を少しはずれた橋の下でいつも若い奴らがたむろしている。夜になれば何処からともなく家出した少年や少女が集まってくるのでその一帯は人々が避けて通る。
時折、困り果てた警察も彼らを注意はするがトカゲの尻尾切りだ。次から次へと巣から出てくる蟻のように湧いて出てくる。おそらくこの場所が無くなってもまたほかの場所で同じような世界が広がるだけだ。法治国家であろうとも解決しないのが現状だ。
「絶対に許さねえ。あの野郎、俺をムショにぶち込みやがって」
足立進は刑務所から出所してからも報復だけを考えていた。
暴力団城田会傘下本田組のチンピラグループの<スネーク>のメンバー十人ほど集めて指示をしていた。
「俺を撃ったやつを見つけて殺せ!」
「進さん、そいつは誰かから雇われただけの殺し屋という噂で例の件とは関係ないんでは?逆にやつにまたやられませんか?なんか最強らしいし......」
「うるせえ!俺を撃ちやがった。俺は死ななかった代わりに刑務所や。そいつの首を持ってこい!俺は絶対許さねえ」
「は、はい!」
手下たちは兄貴と仰いでいた足立進のいかれた怖さとやさしさを知っているので血眼になって撃ったやつを探そうと動き出す。彼らの居心地の良さが<スネーク>となっていたので家族みたいな一体感があった。まるでファミリーだ。
しかし、裏ではこのグループ<スネーク>は中国製のフェンタニルを仕入れて売さばいていた。強力な鎮痛剤でしかも質が悪く安価で中毒性もあり警察は取り調べを強化していた。
この薬が出回ってしまえば町がゾンビ化し混乱する。そして資金は暴力団に流れていく。警察はコカインや大麻より今は恐れている。
警察本部長は尻尾を出さない足立進を捕まえることが出来ずにやむを得ず鍵屋の<下沢鶴男>に内々で頼んでいた。
それが事の始まりだった。
時折、困り果てた警察も彼らを注意はするがトカゲの尻尾切りだ。次から次へと巣から出てくる蟻のように湧いて出てくる。おそらくこの場所が無くなってもまたほかの場所で同じような世界が広がるだけだ。法治国家であろうとも解決しないのが現状だ。
「絶対に許さねえ。あの野郎、俺をムショにぶち込みやがって」
足立進は刑務所から出所してからも報復だけを考えていた。
暴力団城田会傘下本田組のチンピラグループの<スネーク>のメンバー十人ほど集めて指示をしていた。
「俺を撃ったやつを見つけて殺せ!」
「進さん、そいつは誰かから雇われただけの殺し屋という噂で例の件とは関係ないんでは?逆にやつにまたやられませんか?なんか最強らしいし......」
「うるせえ!俺を撃ちやがった。俺は死ななかった代わりに刑務所や。そいつの首を持ってこい!俺は絶対許さねえ」
「は、はい!」
手下たちは兄貴と仰いでいた足立進のいかれた怖さとやさしさを知っているので血眼になって撃ったやつを探そうと動き出す。彼らの居心地の良さが<スネーク>となっていたので家族みたいな一体感があった。まるでファミリーだ。
しかし、裏ではこのグループ<スネーク>は中国製のフェンタニルを仕入れて売さばいていた。強力な鎮痛剤でしかも質が悪く安価で中毒性もあり警察は取り調べを強化していた。
この薬が出回ってしまえば町がゾンビ化し混乱する。そして資金は暴力団に流れていく。警察はコカインや大麻より今は恐れている。
警察本部長は尻尾を出さない足立進を捕まえることが出来ずにやむを得ず鍵屋の<下沢鶴男>に内々で頼んでいた。
それが事の始まりだった。