第9話 山本組の素顔
文字数 749文字
スーパーマーケット井田から左前方を見渡せば山本組の小さなビルが見える。
「坂口、最近、南でフェンタニルをさばいている奴がいるって本当か?」
山本組事務所では指定暴力団山本組の山本組長が資料を見ながら坂口に尋ねた。
「はい。南でラリッている奴らが増えました。間違いなくフェンタニルです。おそらく本田組の手下のチンピラグループの<スネーク>の足立進って奴が薬をさばいているようです」
「本田組?城田会傘下の本田組か。フェンタニルねぇ」
「はい」
「殺された矢沢議員も裏では本田組とつながっていたよな」
「はい」
パソコンのキーを叩き警察内部機密情報にアクセスした。
「なるほどな。坂口、俺たちがこの国を滅ぼしそうな組をつぶすのが使命だよな」
「はい。任務であり使命です。我々は今も警察庁長官の直属の部下です」
「そうだ任務だ。長いことここにいるとつい忘れてしまうんだ。本当のヤクザになってしまう」
環境とは恐ろしいものだと笑いながら山本組長は坂口に言った。
「潰しますか?」
「いや、待て。俺たちが今動くと奴らに怪しまれる。向井の件もあるしな」
他の組の者は山本たちが警察だとは知らず、本物のヤクザだと思い込んでいる。彼らはヤクザではなく国家公務員だ。実質は山本と坂口と二人で動いてはいるが組の構成員は七人だ。
山本組は警察が運営している暴力団組事務所。以前から他の組に潜り込ませていた山本が組を立ち上げた時、亡くなった向井、そして坂口と共に警察庁長官の直属の部下となった。
このことは内閣総理大臣と警察トップしか知らない超極秘任務だ。
山本組は小さいがこの国を真っ当な国にするべく警察庁長官の下で動くエリート集団。情報をリークし組事務所をことごとく潰してきた実績がある。
「足立進か。何とかしないとな。向井の為にも」
「坂口、最近、南でフェンタニルをさばいている奴がいるって本当か?」
山本組事務所では指定暴力団山本組の山本組長が資料を見ながら坂口に尋ねた。
「はい。南でラリッている奴らが増えました。間違いなくフェンタニルです。おそらく本田組の手下のチンピラグループの<スネーク>の足立進って奴が薬をさばいているようです」
「本田組?城田会傘下の本田組か。フェンタニルねぇ」
「はい」
「殺された矢沢議員も裏では本田組とつながっていたよな」
「はい」
パソコンのキーを叩き警察内部機密情報にアクセスした。
「なるほどな。坂口、俺たちがこの国を滅ぼしそうな組をつぶすのが使命だよな」
「はい。任務であり使命です。我々は今も警察庁長官の直属の部下です」
「そうだ任務だ。長いことここにいるとつい忘れてしまうんだ。本当のヤクザになってしまう」
環境とは恐ろしいものだと笑いながら山本組長は坂口に言った。
「潰しますか?」
「いや、待て。俺たちが今動くと奴らに怪しまれる。向井の件もあるしな」
他の組の者は山本たちが警察だとは知らず、本物のヤクザだと思い込んでいる。彼らはヤクザではなく国家公務員だ。実質は山本と坂口と二人で動いてはいるが組の構成員は七人だ。
山本組は警察が運営している暴力団組事務所。以前から他の組に潜り込ませていた山本が組を立ち上げた時、亡くなった向井、そして坂口と共に警察庁長官の直属の部下となった。
このことは内閣総理大臣と警察トップしか知らない超極秘任務だ。
山本組は小さいがこの国を真っ当な国にするべく警察庁長官の下で動くエリート集団。情報をリークし組事務所をことごとく潰してきた実績がある。
「足立進か。何とかしないとな。向井の為にも」