第7話 冴えない?
文字数 899文字
桃子は航に電話をかけた。
桃子しか知らない航の使い捨て携帯番号だ。
『航、龍さんから電話がきたよ。なんでも足立進ってチンピラがあなたを狙っているって。どういう事なの?』
『そりゃまいったなぁ。やつをムショにぶちこんだからなぁ。しつこい性格だな奴は。まあ、俺のショットミスが原因だけど』
あの時、車から降りる足立進をスナイパーライフルでとらえトリガーを引く瞬間に携帯の着信音がなり頭の中で何かがよぎった......。
初めてだった。心が乱れた。あれは今までの後悔と俺の自責の念か。死んでいった人の魂か。単なる迷いか。
『足を洗ったんじゃないの?なんで依頼を受けたのよ』
『いや、龍が他の依頼があって......その依頼が結構重たい仕事だったらしくて......』
『なんなのよ。重たい仕事って?』
『あの例の議員暗殺らしいよ』
『ふ~ん』
興味なさそうな桃子だったが世間ではトップニュースで報道されていた。
龍が暗殺したのは大物議員の矢沢信二。裏で暴力団の城田会傘下の本田組とつなっがているといわれていた。ロシアと北朝鮮にもパイプを持っており在日2世の剛腕をふるう矢沢信二は根強い人気があったが、もし仮に総理大臣にでもなった日には国が滅びかねないと思っている国民が多いのも確かだ。狙われるのも無理はない。
『とにかく気を付けてね。それとあなた、涼一があなたは冴えないって言ってたわよ』
桃子は笑いながら言った。
『冴えないかぁ。という事は俺もまあまあ上手くいってるってことだよな』
『そうね。おそらくあなたが悪人殺し請負人とは気づいていないわね。でも、私は当時から気づいていたけどね』
『えっ、そうなのか。わかっていて一緒に暮らしていたのかい?俺が君を殺ろうと狙っていたっていうのに』
『殺さないとわかっていたわ。私を愛しているから......』
『自信満々だな』
『当り前よ。わたしのすべては演技だったのよ。わからなかった?』
『......』
『じゃぁ、気を付けてね』
『ああ。わかってる。龍にも大丈夫と伝えてくれ』
もう一度、奴を狙うとするか。。。今度ははずさねえよ。
足立よ。
桃子しか知らない航の使い捨て携帯番号だ。
『航、龍さんから電話がきたよ。なんでも足立進ってチンピラがあなたを狙っているって。どういう事なの?』
『そりゃまいったなぁ。やつをムショにぶちこんだからなぁ。しつこい性格だな奴は。まあ、俺のショットミスが原因だけど』
あの時、車から降りる足立進をスナイパーライフルでとらえトリガーを引く瞬間に携帯の着信音がなり頭の中で何かがよぎった......。
初めてだった。心が乱れた。あれは今までの後悔と俺の自責の念か。死んでいった人の魂か。単なる迷いか。
『足を洗ったんじゃないの?なんで依頼を受けたのよ』
『いや、龍が他の依頼があって......その依頼が結構重たい仕事だったらしくて......』
『なんなのよ。重たい仕事って?』
『あの例の議員暗殺らしいよ』
『ふ~ん』
興味なさそうな桃子だったが世間ではトップニュースで報道されていた。
龍が暗殺したのは大物議員の矢沢信二。裏で暴力団の城田会傘下の本田組とつなっがているといわれていた。ロシアと北朝鮮にもパイプを持っており在日2世の剛腕をふるう矢沢信二は根強い人気があったが、もし仮に総理大臣にでもなった日には国が滅びかねないと思っている国民が多いのも確かだ。狙われるのも無理はない。
『とにかく気を付けてね。それとあなた、涼一があなたは冴えないって言ってたわよ』
桃子は笑いながら言った。
『冴えないかぁ。という事は俺もまあまあ上手くいってるってことだよな』
『そうね。おそらくあなたが悪人殺し請負人とは気づいていないわね。でも、私は当時から気づいていたけどね』
『えっ、そうなのか。わかっていて一緒に暮らしていたのかい?俺が君を殺ろうと狙っていたっていうのに』
『殺さないとわかっていたわ。私を愛しているから......』
『自信満々だな』
『当り前よ。わたしのすべては演技だったのよ。わからなかった?』
『......』
『じゃぁ、気を付けてね』
『ああ。わかってる。龍にも大丈夫と伝えてくれ』
もう一度、奴を狙うとするか。。。今度ははずさねえよ。
足立よ。